
大企業と中小企業で広がる格差の真相
世間でいくら賃上げの波が報じられても、日々の生活でそれを実感できている方はどれほどいるのでしょうか。リスクモンスターが実施した調査によると、直近1年間の給料が「変わらない」と答えた人が73.0%と大半を占めることが分かりました。一方で、3%以上の賃上げを勝ち取った層はわずか15.4%にとどまり、その多くが大企業の勤務者や役職者に偏っているのが現状です。この結果は、私たちが薄々感じていた景気の温度差をそのまま映し出していると言えます。
ネット上では、この数字に対して様々な意見が交わされています。
『実際のところ、上昇しているのは若者の初任給と最低賃金だけで、圧倒的多数を占める中間層には何ら恩恵がないのが現実です』
『4月に昇給があっても、4〜6月の標準報酬月額で社会保険料が再計算されるため、秋以降の手取りはほとんど変わらない仕組みになっています』
『大企業が利益を抱え込み、地方や下請けの中小企業まで恩恵が回ってこない歪な経済構造が続いている』
『中小企業やものづくりの現場では全く上がっておらず、このままでは若い世代が仕事に魅力を感じなくなってしまう』
『会社が一度給料を上げてしまうと業績悪化時にも引き下げにくく、解雇規制が厳しいことが経営側の慎重な姿勢につながっているのではないか』
このように、制度の仕組みに対する疑問や、企業規模による分配の偏りを指摘する声が非常に多く見られます。
一方で、現状の雇用を守る仕組みが逆に作用しているという見方もあります。わが国の労働法制は解雇へのハードルが高いため、企業が将来の固定費負担を恐れてベースアップに踏み切れないという側面は否定できません。実力主義を導入して新卒の初任給を大きく引き上げる企業が増える反面、中堅の給与が据え置かれて逆転現象が起きるなど、現場のモチベーション低下という新たな歪みも生じています。
単に数字の上の昇給率を競うのではなく、社会保険料の負担軽減や、中小企業が適切に価格転嫁できる環境づくりを進めなければ、社会全体の豊かさは実感できないままです。
私たちは目先の賃上げ報道に一喜一憂するのではなく、手取りを増やすための本質的な議論に向き合う時期に来ているのかもしれません。














