「弟がやるなら投資始める」私のアドバイスは聞かない夫。だが、自分で決めない夫に妻が本音をぶつけた結果
弟が動けば夫も動く
結婚して気づいたのは、夫が自分ひとりでは何も決められないということだった。三つ年下の夫は、義実家の意向がそのまま判断基準になっていた。
私が老後に向けて積立投資をすすめたときも、夫は怪しいものだと鼻で笑った。ところが後日、急に前のめりになって言い出したのだ。
「弟がやるなら投資始める」
義弟が口座を開いたと知った途端の、あっさりした変わり身だった。私の説明には一切動かなかったのに、弟の名前が出ればこれだ。
「この前は怪しいって言ってたよね」
私が呆れて返しても、夫はどこ吹く風だった。自分で調べて納得したわけではない。ただ、弟がやっているという事実だけが夫を動かしていた。
それだけならまだよかった。夫は「元手がいるから、生命保険を解約する」とまで言い出した。
毎月三万円の保険料を、投資の資金に回すつもりらしい。
「万一のときの備えを崩すのは反対」
私がどれだけ止めても、夫は耳を貸さなかった。
弟がそうしているから、の一点張りだ。解約されるよりはと、私は夫の保険料をこっそり払い続けることにした。
妻の本音で黙った夫
数日後、夫が青ざめて帰宅した。開口一番、私に詰め寄る。
「俺の保険、本当に解約したのか」
理由を聞けば、義母からの電話だという。
「母さんが保険は残せって」
弟は保険料を払いながら投資をしている、と義母に聞かされ、慌てて帰ってきたのだ。
ついさっきまで解約しろと迫っていた人間が、である。私は静かに口を開いた。
「解約してないよ。私がずっと払ってきたから」
夫はほっと胸をなでおろした。その吞気な顔を見て、さすがに一言、言わずにいられなかった。
「弟が始めれば怪しくなくなって、義母が言えば解約もやめる。
あなたの考えはどこにあるの」
夫は言葉に詰まった。何か言いかけては口を閉じ、最後は視線を落とした。
そこへ、電話口の義母の声が響いた。
「保険を勝手に解約なんて、私は許しませんからね」
頼みの義母にまで叱られ、夫は小さくうなずくしかなかった。反論しようと口を開きかけたが、結局なにも言えずに閉じる。いつも誰かの後ろに隠れていた人が、隠れる場所を失った瞬間だった。
「弟でも義母でもなくて、あなた自身はどうしたいの」
問い返しても、夫は答えを持っていなかった。自分の考えというものが、この人の中にはなかったのだ。
「これで、はっきりしたね」
私が笑うと、夫はばつが悪そうに目を逸らした。それ以来、お金の話になると、夫はまず私の顔色をうかがうようになった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














