「昨日は100円安かっただろ」会計後に値段の違いを訴えた客。だが、チラシの日付を見て引き下がったワケ
会計を終えた男性が、レジへ戻ってきた
その日は、朝いちばんに近所のスーパーへ買い物に行きました。
夕方は混むので、開店して間もない時間に済ませることが多かったのです。
まだ店内は空いていて、開いているレジも一台だけ。私の前には二人ほど並んでいました。
すると、少し離れた袋詰め台にいた年配の男性が、レシートを手にしたままレジへ戻ってきました。
「ちょっと、これ値段が違うだろ」
男性が指したのは、購入したばかりの惣菜でした。
若い女性店員がレシートと商品を確認します。
「こちらは本日、298円で販売しております」
「昨日は198円だったぞ。同じ商品なのに、なんで100円も高いんだ」
男性の声が少しずつ大きくなっていきます。
店員は戸惑いながらも、「昨日まで特売だった可能性がありますので、確認いたします」と答えました。
しかし男性は納得しません。
「可能性じゃなくて、ちゃんと説明してくれよ。店長を呼んで」
後ろに並んでいた私たちも、自然とやり取りへ目を向けました。
店員は応援を呼び、別のスタッフがレジを引き継ぎました。男性には少し横へ移動してもらい、そこで責任者を待つことになりました。
昨日のチラシに書かれていた日付
ほどなくして、店長らしき男性がやってきました。
事情を聞いたあと、店長は男性に尋ねました。
「昨日の価格をご覧になったのは、売り場でしょうか。それともチラシでしょうか」
「チラシだよ。昨日買ったときも198円だった」
「確認してまいります」
店長はサービスカウンターへ向かい、前日のチラシを持って戻ってきました。
惣菜の写真の横には、大きく「198円」と書かれています。
男性はすぐにそこを指しました。
「ほら、やっぱり198円じゃないか」
すると店長は、その近くに印刷されている日付を示しました。
「こちらをご覧ください」
そこには、特売期間が昨日までであることが記載されていました。
店長は続けます。
「こちらの価格は昨日までの特売価格でして、本日から通常価格に戻っております。売り場の表示も現在は298円です」
男性はチラシの日付を見たまま、しばらく黙っていました。
「……昨日までか」
「はい。分かりにくかったようでしたら申し訳ございません」
店長がそう答えると、男性はもう一度チラシを見てから、小さくうなずきました。
「分かった」
それだけ言うと、レシートを財布へ戻し、買い物袋を持って出口へ向かいました。
さっきまで響いていた大きな声は、もうありませんでした。
店長は男性を見送ったあと、最初に対応していた店員へ「確認ありがとう」と短く声をかけていました。
私の会計の番になるころには、店内はいつもの静かな朝に戻っていました。
特売の大きな数字だけでなく、その横にある期間まで確認しないといけないのだと、私自身も少し気をつけようと思った出来事です。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














