「付き合ってる人もいないのか?」正月の親戚の前で笑われた私。だが、伯母が返した一言で空気が一変
毎年恒例の親戚の集まり
正月二日、父方の親戚が祖父母の家に集まりました。
玄関には靴がずらりと並び、座敷では大人も子どもも思い思いに話しています。私はいつものように、台所に近い端の席に座りました。
大人数の集まりはあまり得意ではありません。
端のほうで料理を食べながら、近くにいる親戚と話すくらいがちょうどよかったのです。
料理を運んでいた伯母が、私の前に小鉢を置きながら声をかけてきました。
「今年もそこなの?」
「ここが落ち着くんですよ」
「そう。足りないものがあったら言ってね」
そう言って、伯母はまた台所へ戻っていきました。
突然始まった結婚の話
しばらくすると、向かい側に座っていた叔父が私に声をかけてきました。
「そういえば、お前はまだ独りなのか?」
「今のところはそうですね」
「付き合ってる人もいないのか?」
親戚が集まると、叔父は毎年のように私の結婚について聞いてきます。
「まあ、そのうち縁があれば」
できるだけ軽く流したつもりでした。
ところが叔父は、周りにも聞こえる声で続けました。
「そのうちなんて言ってたら遅いぞ。そんなこと言ってるからモテないんだ」
座敷の笑い声が少しだけ小さくなりました。
私は苦笑いをして、料理に箸を伸ばしました。言い返せば余計に話が長くなると思ったからです。
それでも叔父は、「誰か紹介してやろうか」とさらに話を続けようとしました。
伯母が台所から戻ってきて
そのとき、料理を持ってきた伯母が叔父の後ろで足を止めました。
「もう、その話はやめなさいよ」
叔父が振り返ります。
「何だよ。冗談だろ」
「本人が笑ってないのに、冗談ってことにしちゃだめでしょう」
伯母はそう言って、私の前に料理を置きました。
叔父は一瞬黙りましたが、「心配して言ってるだけだ」と言います。
すると伯母は、今度は少し穏やかな声で返しました。
「結婚するかどうかも、誰と付き合うかも本人が決めることよ。正月くらい、好きにご飯を食べさせてあげなさい」
向かいに座っていた従兄弟が、「確かに」と小さく笑いました。
叔父はそれ以上何も言わず、別の親戚との話に戻っていきました。
私は伯母に小声で「ありがとうございます」と伝えました。
伯母は「毎年同じこと聞かれたら疲れるでしょう」と笑い、そのまま台所へ戻っていきます。
帰り際、叔父とは玄関で一緒になりました。
いつもならもう一度くらい結婚の話をされるところですが、その日は「じゃあ、またな」と言われただけでした。
正月の集まりがなくなるわけではありませんし、叔父の性格が急に変わるとも思いません。
それでも、誰かが一言止めてくれるだけで、こんなにも気持ちが楽になるのだと感じた出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














