「音、少し下げてもらえますか」満員電車で動画を流し続ける男性。だが、乗客が注意した結果
満員の車内に、動画の音だけが聞こえていた
平日の朝、私はいつものように混雑した電車に乗っていました。
車内はかなり混んでいて、乗客同士の肩が触れるほどです。私はドアの近くに立ち、次の駅までじっとしていました。
しばらくすると、走行音に混じって人の話し声や笑い声が聞こえてきました。
最初は近くの乗客が話しているのかと思いましたが、声は同じ調子で途切れることなく続いています。
音の出どころは、私のすぐ前に立っていた男性のスマホでした。
男性は画面を見ながら動画を再生していましたが、イヤホンをしている様子はありません。
大音量というほどではないものの、静かな車内では周囲にも十分聞こえる音量でした。
近くにいた乗客も気になっているようで、何人かが男性のほうへ視線を向けていました。
ただ、朝の満員電車です。知らない人に声をかけるのは簡単ではありません。
私自身も「少し音を下げてもらえませんか」と伝えようか迷いましたが、結局声をかけられないままでした。
「音、少し下げてもらえますか」
動画の音が続いたまま、電車は次の駅に到着しました。
乗客が入れ替わり、新しく乗ってきた40代くらいの男性が、動画を見ている男性の近くに立ちました。
その男性もしばらくスマホから流れる音を聞いていましたが、やがて相手のほうを向きました。
「すみません。音、少し下げてもらえますか」
怒鳴るわけでもなく、本当にそれだけでした。
動画を見ていた男性は一瞬驚いたように顔を上げました。
「あ、はい…」
そう言うと、すぐにスマホを操作しました。それまで聞こえていた動画の音は止まりました。
注意した男性も、それ以上何かを言うことはありませんでした。
周囲の乗客もまた、それぞれ自分のスマホや足元に視線を戻していきました。
ほんの数秒のやり取りでした。
私はその様子を見ながら、「あれくらい普通に伝えればよかったのかもしれない」と思いました。
もちろん、知らない人に注意することにはためらいがありますし、必ずしも自分から声をかける必要があるとは思いません。
朝の電車で起きた小さな出来事でしたが、静かにひと言伝えた男性の姿が、今でも印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














