「ちゃんと仕事して!」機嫌のよしあしで態度が変わる先輩。だが、周りの席の人に救われた瞬間
初日から、やたらと親切だった
以前のパート先に、同年代の先輩がいました。初日からとても親切で、作業の順番や道具の場所まで、隣の席から一つずつ教えてくれました。
「分からないことは、何でも聞いてね」
慣れない職場だったので、その言葉には助けられました。
年齢も近く、この人がいるなら働きやすそうだと、私はすっかり安心していました。
ところが、働き始めて1か月ほどたち、少しずつ仕事を覚えた頃から様子が変わりました。
作業中でも先輩の家族の話が始まり、私の家庭についても細かく聞かれるようになったのです。
「ご主人、お休みの日は何してるの」
私はまだ仕事を覚えることで精いっぱいでした。手を動かしながら曖昧に答えていると、今度は仕事のやり方について細かく言われることが増えていきました。
先輩の機嫌がいい日は自慢話が続き、反応が薄いと急に声の調子が変わることもありました。
「ちゃんと仕事して!」
話しかけてきたのは先輩なのに、と戸惑いました。それでも入ったばかりの私は言い返せず、いつしか朝、席に着く前に先輩の様子を気にするようになっていました。
あの朝、周りの席が静かに動いた
ある朝も、始業してすぐに先輩の家族の話が始まりました。
私は作業を続けながら短く返事をしていましたが、先輩の声はだんだん大きくなっていきます。
すると、隣の席の人が顔を上げました。
「その話、あとにしませんか。もう始まってるので」
先輩は一瞬黙り、そのまま手元の伝票へ目を落としました。
「そうですね。私も今日中に終わらせたくて」
向かいの席の人もそう続けました。誰も先輩を強く責めたわけではありません。ただ、その場の空気が仕事へ戻っていくのを感じました。
休憩時間になってから、私は隣の席の人にお礼を伝えました。
「ありがとうございます。1か月たった頃から、先輩の態度が変わりました」
すると、その人は少しうなずきました。
「気づいてました。いつも話しかけられてましたよね」
周りにも見えていたのだと知って、少しだけ肩の力が抜けました。
それ以降、先輩が仕事中に長く話し続けることは減りました。必要な会話はしますし、挨拶もこれまで通りです。
大きな出来事が起きたわけではありません。それでも、朝いちばんに先輩の機嫌を確かめてから席に着くことは、いつの間にかなくなっていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














