「担当がつかないとはどういうこと。責任者を呼んで」住宅の展示施設で怒鳴った客。だが、責任者が伝えた事実とは
電話では、担当がつかないことをお伝えしていた
住宅の展示施設で、受付と案内をしていたころの話です。
ある日、見学を希望する方から事前に電話がありました。
その日はすでに予約がいっぱいで、担当者をつけて案内することができませんでした。
私はそのことをお伝えし、ご自身で展示を見ていただく形になること、質問などがあればその都度スタッフへ声をかけていただけることを説明しました。
相手からも了承の返事をいただいたため、私は電話を受けた日時と説明した内容、返事を受付の控えに書き留めておきました。
ところが当日、その方は受付へ来るなり、少し強い口調でおっしゃいました。
「担当がつかないとはどういうこと。責任者を呼んで」
電話で説明したはずでしたが、受付にはほかのお客さんもいます。その場で押し問答を続けるわけにもいかず、私は店長を呼びました。
店長が確認したのは、受付に残っていた控えだった
事情を聞いた店長は、まず受付の控えを確認しました。そして用紙を手にしたまま、その方に説明しました。
「お電話の内容は控えてあり、こちらに残っております」
店長は、電話をいただいた日時や、担当者をつけられないとお伝えしたこと、そのうえで了承の返事をいただいていたことを、控えを見ながら順番に確認していきました。
その方は途中で何か言おうとしましたが、最後まで聞くと、しばらく黙っていました。
「本日は自由にご覧いただけます。ご質問があれば、その都度スタッフをお呼びください」
店長が改めてそう伝えると、その方は短く返しました。
「……分かった」
そして、それ以上受付で話を続けることなく、展示のほうへ向かっていきました。
「控えは、これからも必ず書いておいて」
その方が離れたあと、店長から言われたのは一言だけでした。
「控えは、これからも必ず書いておいて」
私はそれまで、電話の記録を残すことを単なる事務作業のひとつくらいに考えていました。
けれど、口頭のやり取りは、時間がたつと双方の記憶が食い違うことがあります。そんなとき、いつ、何を伝え、どんな返事があったのかを書いておくことで、状況を確認しやすくなるのだと実感しました。
それ以来、大事な説明を電話でしたときは、伝えた内容だけでなく、相手からいただいた返事まで、その場でできるだけ記録するようにしています。
あの日、受付でうまく言い返すことはできませんでした。それでも、言い争うことより、必要なことをきちんと残しておくほうが役に立つ場面もあるのだと知った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














