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2026.09.15(Tue)

「何か怒ってる?」連絡を返さない日に届いたメッセージ。勤務時間まで知られていた私が決めたこと

「何か怒ってる?」連絡を返さない日に届いたメッセージ。勤務時間まで知られていた私が決めたこと

気軽な誘いだと思っていた

その人と話すようになったのは、担当していた仕事が重なった時期だった。

年齢は少し上で、話し方も穏やかだったので、はじめのうちは特に気にしていなかった。

ある日の帰り際、声をかけられた。

「ねえ、今度仕事終わりにごはん行かない?」

「ありがとうございます。でも、最近ちょっと予定が詰まってて…」

「そっか。じゃあ、またタイミング合いそうなときに」

「はい、すみません」

「いや、謝らなくていいよ」

そのときは、本当にそれだけだった。

その後も何度か誘われたが、私はそのたびにやんわり断った。相手も「そっか」「また今度ね」とあっさり引いてくれるので、この距離感なら大丈夫だと思っていた。

少し変だと感じたのは、ある日の退勤後だった。

スマートフォンを見ると、その人からメッセージが届いていた。

「今日、6時くらいに上がったんだね」

一瞬、手が止まった。

その日の退勤時間を、その人に直接話した覚えはない。部署も違うし、その日はいつもより少し早めに仕事を切り上げただけだった。

ただ、会社のどこかで見かけたのかもしれない。そう考えて、その日は返事をしなかった。

ところが、そのあとも似たような連絡が続いた。

「さっき駅前の本屋にいた?」

別の日には、

「今日はいつもの電車じゃなかったんだね」

と届いた。

どれも責めるような文章ではない。むしろ、一見すると何気ない話しかけ方だった。

それでも、どう返せばいいのか分からなかった。

「なんで知ってるんだろう…」

画面を見るたび、その疑問が頭に残るようになった。

返事をしないと、連絡が重なった

それから私は、用事のないメッセージにはなるべく返さないようにした。

三日ほど返さずにいた朝、スマートフォンを見ると3通並んでいた。

「最近忙しい?」

続いて、

「何か怒ってる?」

そして最後に、

「大丈夫?無理してない?」

心配しているだけ、と言われればそう見える文章だった。

けれど、返事をしていないことをそこまで気にされていると分かった瞬間、急に息苦しく感じた。

昼休み、同僚に初めて話した。

「ちょっと聞いてほしいんだけど…最近、こういう連絡が来るんだよね」

画面を見せると、同僚は少し眉を寄せた。

「え、退勤した時間まで送ってくるの?」

「うん。でも、たまたま見かけただけかもしれないし…。会社では普通なんだよ」

「そうかもしれないけど、嫌だなって感じてるなら、無理に気にしないふりしなくていいんじゃない?」

私はしばらく黙ってから、うなずいた。

すると同僚が言った。

「帰る時間が合う日は、一緒に出ようか」

「…ありがとう。助かる」

それからは、帰る時間の合う同僚と一緒に建物を出ることが増えた。

連絡も、仕事上必要なものにだけ返した。

相手は職場では以前と変わらなかった。廊下ですれ違えば普通に会釈をするし、仕事の話をするときも穏やかだった。

だからこそ、私は余計にどう受け止めればいいのか分からなかった。

最後まで分からなかったこと

年度が変わるころ、私は別の会社へ移ることを決めた。

仕事そのものや今後のことなど、理由はいくつもあった。この件だけが退職の理由だったわけではない。

それでも、転職を決めたあとで少し肩の力が抜けたのは確かだった。

最終日、廊下でその人と顔を合わせた。

「今までありがとうございました。私、今日で最後なんです」

「あ、そうなんだ。そっか……。次のところでも元気でね」

「ありがとうございます」

それ以上の会話はなかった。

今はもう連絡先も残していないし、その人の名前を聞くこともない。

ただ、私が何時に会社を出たのか。駅前の本屋にいたことや、いつもと違う電車に乗ったことを、なぜあの人が知っていたのか。

偶然見かけただけだったのかもしれない。

結局、その答えだけは分からないままだ。

「何か怒ってる?」

あのとき届いた短い一文を思い出すと、今でも少しだけ胸の奥がざわつく。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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