「何回も言わなくても分かってるよ」貸した金を催促すると嫌がる弟。だが、正月の食卓で催促した結果
半年たっても返ってこない2万円
私には、20代後半の弟がいます。
数年前、給料日の少し前に「お金を貸してほしい」と頼まれたことがありました。
「給料が入ったら、すぐ返すから」
何度もそう言うので、私は3万円を貸しました。
ところが、約束の給料日を過ぎても返ってきません。こちらから電話をすると、弟は軽い調子で言いました。
「ちょっと出費が重なってさ。もう少し待って」
「分かった。でも、次の給料日には返してね」
それから半年ほどたって、ようやく返ってきたのは1万円だけでした。残りの2万円について聞くと、弟は面倒そうに答えます。
「今は余裕ないって言ってるじゃん。姉ちゃん、何回も言わなくても分かってるよ」
貸した側なのに、こちらがしつこく催促しているような言い方をされ、私は何も言えなくなりました。
母に余計な心配をかけたくなくて、この件は家族にも話さないまま。もう返ってこないのかもしれないと思い始めていました。
正月の食卓に置かれた12万円の携帯
その年、弟は結婚しました。
お正月の昼、実家の居間では、父と母、私、弟、そして弟の妻がおせち料理を囲んでいました。
すると弟が、新しく買ったという携帯電話をテーブルに置きました。
「これ、12万円したんだ。すごいでしょ」
「そんなにするのか」
父が驚くと、弟はうれしそうに、写真がきれいに撮れることなどを話し始めました。
私は黙って聞いていましたが、どうしても残りの2万円が頭から離れませんでした。
「それ買えるなら、私に返してない2万円も、そろそろ返せるよね?」
弟の話し声が止まりました。
隣にいた弟の妻が、驚いた顔で夫を見ます。
「え、お義姉さんにお金借りてたの?」
「いや……給料日前に、ちょっとだけ」
弟は言葉を濁しました。
「まだ2万円返してないんでしょ?」
弟の妻はそう確認すると、少し間を置いて言いました。
「それなら、新しい携帯より先に返したほうがいいんじゃない?」
弟は何も言い返しませんでした。しばらく黙ったあと財布を開き、1万円札を2枚取り出して、私の前に置きました。
母もそこで初めて事情を知り、弟を見てため息をつきました。
「あんた、お姉ちゃんから借りたままだったの?」
弟は返事をせず、さっきまで嬉しそうに見せていた携帯電話をポケットにしまいました。
私もその場でそれ以上責める気にはなれませんでした。ただ、半年間ずっと引っかかっていた2万円がようやく戻り、胸のつかえが少し取れたのを覚えています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














