「何回言わせるんですか!」カフェで何度も聞き返す私に怒鳴った男性客。注文が聞こえた直後、女性客と交わした気まずい笑い
何度聞いても分からない男性客の注文
以前、カフェで接客の仕事をしていたころの話です。
その日はお昼どきで、店内はかなり混み合っていました。お客さんの話し声や食器の音が重なり、カウンターも慌ただしい雰囲気でした。
そんな中、一人の男性客が注文にやってきました。
「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」
そう声をかけると、男性はうつむいたまま、何かをぼそぼそと話し始めました。
私は耳を澄ませましたが、周囲の音もあって、何を言っているのか聞き取れません。
「すみません。もう一度お願いできますか?」
男性は少し面倒そうな表情を浮かべ、同じように小さな声で繰り返しました。
メニューを指さしてくれたものの、指があちこち動くため、どの商品なのかも分かりません。
「申し訳ありません。お飲み物でしょうか?それともお食事でしょうか?」
「……だから、言ってるでしょ」
男性は大きくため息をつきました。
何度も聞き返されて、いら立っているようです。
こちらも申し訳ないのですが、注文を聞き間違えるわけにはいきません。
後ろには順番を待つお客さんの列ができています。
早くしなければと焦りながら、私はもう一度だけ尋ねました。
「すみません、商品名をもう一度教えていただけますか?」
すると男性は、急に顔を上げました。
「何回言わせるんですか!」
突然の大声に、私はびくっとしてしまいました。
近くの席のお客さんまで振り返り、カウンターの周りに気まずい空気が流れました。
ようやく聞こえた注文に、思わずこぼれた笑い
男性はそのまま、大きな声で言いました。
「アイスコーヒーのMサイズ!ひとつ!」
今度は、驚くほどはっきり聞こえました。
私は少し驚きながらも、いつもの接客の調子で答えました。
「はい!アイスコーヒーのMサイズ、おひとつですね。かしこまりました!」
すると、男性のすぐそばで順番を待っていた女性客が、口元に手を当てて、くすっと笑ったのです。
男性は一瞬、女性客のほうを見ましたが、何も言わずに支払いを済ませ、受け取り口へ移動しました。
私はようやく注文を確認できて、ほっとしました。
続いて、その女性客の順番になりました。
女性客は少し身を乗り出し、私に小さな声で話しかけてきました。
「あの声、最初から出してくれたら早かったのにね」
「あはは……ちょっとびっくりしちゃいました」
私が思わず苦笑すると、女性客も小さく笑いました。
ほんの少し前まで、どうしようかと必死になっていたのに、急に気が抜けてしまったのです。
もちろん、男性も何度も聞き返されて困っていたのかもしれません。
それでも、あんなに聞き取れなかった注文が、大きな声になった途端にはっきり分かったことには、少し拍子抜けしてしまいました。
私は女性客に軽く会釈し、気持ちを切り替えて次の注文をうかがいました。
接客中は本当に焦りましたが、最後はなんとも気まずくて、思わず笑ってしまった出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














