「どういう教育がされてるんだよ」お釣りを渡しただけで激怒した客。だが、年配の女性の冷静な指摘に言葉を詰まらせた
お釣りを渡した瞬間、突然怒鳴り始めた男性客
スーパーでレジのパートをしていたころ、昼のいちばん忙しい時間帯に起きた出来事です。
その日、レジに並んでいた一人の男性客は、順番を待っているときから不機嫌そうでした。
前のお客様の会計が少し長引くと、大きなため息をつき、何度も足を踏み鳴らしていました。
ようやく男性の順番になり、私はいつもどおり商品を通して会計を済ませました。
ところが、お釣りを渡そうとしたときです。
男性が勢いよく手を伸ばしてきたため、私の指先が男性の指にほんの一瞬触れてしまいました。
すると、男性は突然声を荒らげました。
「おい、今、手に触っただろ!」
私は驚き、すぐに頭を下げました。
「申し訳ございません」
「何なんだよ、まったく。どういう教育がされてるんだよ」
「大変失礼いたしました」
「謝ればいいってもんじゃないだろ。責任者を出せ!」
男性はお釣りを握ったまま、怒鳴り続けました。
もちろん、わざと触れたわけではありません。
ですが、それを説明したところで、言い訳だと受け取られそうでした。
何度謝っても男性の怒りは収まらず、同じようなやり取りが10分ほど続きました。
その間、レジの列は止まったまま。後ろに並ぶお客様たちが困った顔をしているのも分かりました。
早く会計を再開したいのに、男性は一向に帰ろうとしません。
私はどう対応すればいいのか分からず、泣きそうになるのを必死にこらえていました。
後ろに並んでいた女性客が口を開くと…
そのとき、男性の後ろから声が聞こえてきました。
「あの、すみません」
声をかけたのは、列に並んでいた年配の女性客でした。
男性が振り返ると、女性客は落ち着いた口調で話し始めました。
「私、後ろから見ていましたけど、お釣りを受け取るときに、ちょっと手が当たっただけですよね」
「は?だから何だよ」
男性は不満そうに言い返しました。
それでも女性客は声を荒らげず、静かに続けました。
「店員さんも謝っていますし、そろそろお会計を進めてもらえませんか。みんな待っていますから」
その言葉を聞いた男性は、周囲を見回しました。
後ろには会計を待つお客様が並んでいます。中には、女性客の言葉にうなずいている人もいました。
男性は何か言いかけましたが、結局、言葉を続けませんでした。
「……もういいよ」
そう小さく言うと、お釣りを握りしめたまま、足早に店を出ていったのです。
男性がいなくなり、ようやくレジの周りが静かになりました。
すると、品出しをしていた先輩のパートが私のところへ来てくれました。
「大丈夫?大変だったね」
その言葉に、張り詰めていた気持ちが少し緩みました。
私は女性客に向き直り、頭を下げました。
「ありがとうございました。本当に助かりました」
すると女性客は、優しく笑って買い物かごをレジ台に置きました。
「いいのよ。じゃあ、お会計お願いね」
何事もなかったように接してくれたことが、何よりありがたく感じました。
あの日、後ろから声をかけてくれた女性客のことは、今でも忘れられません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














