「家計が厳しいから無駄遣いはやめよう」と言っていた夫がゲームに大量の課金。だが、子供を連れて実家に帰った結果
38度の熱で動けない夜だった
子どもがまだ保育園に通い始めたばかりの頃、私は風邪をこじらせて38度を超える熱を出した。
布団から起き上がれず、保育園のお迎えだけは夫に頼んだ。お迎えから帰ってきた夫は、子どもをリビングに放してから寝室の襖を開けた。
「夕飯どうするの?」
真顔だった。氷枕を当てている妻に向かって、開口一番に出た言葉がそれだった。
心配の言葉も、薬を飲んだかの確認もなかった。私はただ「冷凍庫に冷凍ご飯がある」とだけ返して、襖をそっと閉じてもらった。布団の中で、ひとり静かに天井を睨み続けた。
普段の家事育児も似たような分担だった。
おむつ替えは数えるほど、夜泣き対応はほぼゼロ、休日に半日公園へ連れ出しただけで「今日は育児頑張った」と恩着せがましく言う相手。
私は毎日、ご飯と洗濯と保育園準備と寝かしつけを一人で回していた。子どもが熱を出した夜に病院へ走るのも、登園バッグの中身を毎晩入れ替えるのも、ぜんぶこちらの役目だ。
夫は職場で「育児やってるアピール」を欠かさない。同僚の奥さんから「ご主人、ほんとに育児パパですね」と言われたとき、口角が引きつるのを抑えるのに必死だった。実態を知らない外野の評価ほど、当事者の私を消耗させるものはなかった。
家計簿の中に隠れていた数十万
夫の口癖は「家計が厳しいから無駄遣いはやめよう」だった。
それを信じて、私は自分の美容院代まで削っていた。新しい服を買うのは2年に1回、子どもの上着もリサイクルショップで揃え、夫のスーツのクリーニングは1着でも我慢できる枚数を計算していた。
熱が下がってから、引き落とし明細を確認するために家計簿アプリを開いた。
スマートフォンのアプリ内課金の項目に、見覚えのない大きな金額が並んでいた。1ヶ月分を遡り、3ヶ月分を遡り、合算すると数十万円になっていた。
夫がハマっていたスマホゲームへの課金履歴だった。私が必死で削っていた美容院代の何十倍の金額が、ガチャに消えていた計算だった。
問い詰めた夜、夫は最初こそ言い逃れを試みたが、明細の数字には反論できなかった。
私はその場で荷物をまとめ、子を連れて実家に戻った。
本気で家を空けたのが効いたのか、夫はようやく自分の立ち位置に危機感を持ったらしい。
少しずつ家事育児に手を出すようになり、課金していたアプリも削除し、半年経った今は分担が増えた。それでも、あの「夕飯どうするの?」の真顔と、明細に並んだ数十万という数字は、私の中で同じ場所に貼りついたままだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














