「えー、自分で作るの?」家事を任せきりだった夫が、寝込んだ妻の代わりに家事をした。3日後、夫が漏らした言葉とは
39度のベッドから見た背中
共働き家庭の家事育児は半分こ、と結婚前は言っていた夫だったが、子どもが生まれてからの数年、家のことはほとんど私の担当になっていた。
食事も洗濯も保育園の手続きも、気づけば全部が私のタスク表に並んでいる。
夫は土日も自分のペースで起きてきて、テレビを見ながら「協力してるよね」と確認だけ取ってきた。
ある朝、私は39度の高熱で起き上がれなくなった。
喉がはれて声も出にくく、頭は常に重たい。
夫はベッド脇まで来て一度だけ「大丈夫?」と聞いたが、5分後にはソファに戻り、横向きでスマホを見続けていた。
背中越しに聞こえてくる動画の音だけが、寝室まで届いていた。
「えー、自分で作るの?」
夕方、空腹で目覚めた子の声に押されたのか、夫が寝室を覗いてきた。
「夕飯どうする?」
もう何も考えられず、冷凍庫の冷凍うどんを指示した。
レンジで温めて出汁を入れるだけ、子どもの分も同じでいい。
返ってきたのは予想もしていない一言だった。
「えー、自分で作るの?」
本気で嫌そうな顔だった。
レンジで温めることが「作る」のカテゴリに入っていることに驚き、声を出す気力もなくなって毛布を引き上げた。
結局その夜、夫は子どもとカップ麺で済ませたらしく、洗い物のシンクが翌朝まで放置されていた。
熱は下がらず、私はそのまま3日寝込んだ。
子の保育園送迎、食事、洗濯、ゴミ出し、お風呂、寝かしつけ。全部が夫の手に渡る形になった。
3日後の朝、夫が呟いた一言
初日の夫は意外と張り切っていた。
二日目になると洗濯機の前で「これ柔軟剤どこ?」と何度も呼びに来た。
三日目の朝には、保育園の連絡帳を手にキッチンで固まっていた。
子のお茶を水筒に詰める作業ひとつをとっても、想像の倍の時間がかかっていたらしい。
買い物のついでに子を連れて出かけたら、レジ前で子がぐずって全部の段取りが崩れたとも報告してきた。
三日目の朝、子を送り出した夫が寝室の戸口から低い声で呟いた。
「毎日これやってたの普通にすごいわ…」
冗談ではない口調だった。
それ以来、洗い物は夫が当然のように引き受けるようになり、子の朝の準備にも自分から手を伸ばすようになった。
保育園バッグの中身、翌日の体操服、お茶の水筒、爪切りのタイミング。妻だけが頭の中で回していたチェックリストの一部を、夫も少しずつ引き受け始めた。
「協力してる」という言い回しは、寝込んだ3日間を境にうちの会話から消えた。実際に立ってみないと、見えない重さがあるのだと夫が初めて理解した3日間だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














