「昔はこれが普通よ」1歳の子に味噌汁を飲ませようとした義母→夫が止めて場が凍りついた瞬間
義実家のお昼どき
一歳になった子どもを連れて、夫の実家を訪ねた日のことだ。
お昼になり、私は持参した離乳食を温めてもらおうと、そっと保冷バッグを開けた。
ところが、先にテーブルへ戻ってきた義母の手には、家族用の味噌汁の椀があった。
「昔はこれが普通よ」
「この子にもあげましょうね」
義母はにこにこしながら、スプーンで味噌汁をすくった。
塩気の強い、大人の味だ。
その手が、子どもの口元へまっすぐ伸びていく。
「お義母さん、待ってください。まだ早いんです」
私は椀の前に手をかざして止めた。それでも義母は引かない。
誰も助けてくれない
「そんな薄味じゃ、この子がかわいそう。うちの味に慣れさせないと」
「離乳食はちゃんと持ってきていますから、大丈夫です」
やんわり断っても、義母の表情は不満そうにゆがんだ。
「神経質ねぇ。私はちゃんと三人育てたのよ」
その言葉に、私はもう何も返せなくなった。
テーブルを囲む親戚たちは、みな気まずそうに目を伏せ、誰ひとりとして味方をしてくれない。
味噌汁の椀は、まだ子どもの方へ向けられたままだった。
私は子どもを抱き寄せ、椀からできるだけ遠ざけた。ようやく離乳食を食べさせ始めても、義母の口出しは止まらない。
「抱き方が下手ねえ。首がぐらぐらしてるじゃない」
「そんな薄着で、風邪ひくわよ。まったく今どきの子は」
次から次へと飛んでくる小言に、私は相槌を打つだけで精一杯だった。
座って休む暇もなく、気持ちがどんどんすり減っていく。それでも隣にいる夫は、いつものように「まあまあ」と受け流すだけだと思っていた。
凍りついた場
そのとき、それまで黙っていた夫が、義母の手からそっと椀を受け取った。
「母さん、この子に何を食べさせるかは、俺と妻で決めるから」
にぎやかだったリビングが、一瞬で静まり返った。義母の顔から、笑みがすっと消えていく。
「あなたまで、そんな言い方しなくても……」
「言い方じゃないよ。育児のことは俺たちに任せて。母さんが心配なのは分かるけど、決めるのは親の役目だから」
義母は何か反論しようと口を動かしたが、声にならなかった。やがて、ばつの悪そうな顔で視線を落とす。さっきまで目を伏せていた親戚の一人が、「そうよ、若い二人に任せなさいよ」と助け舟を出した。場の空気は、もう完全に入れ替わっていた。
義母は味噌汁の椀を静かに台所へ運び、それきり口出しをやめた。帰り道、私が思わずこぼした涙に、夫は「次からは俺が先に言うよ」と応えてくれた。あの日以来、義実家では夫が先に「任せてほしい」と一言添えるようになり、余計な手出しはぴたりと止んだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














