「子どももいるのに、みっともない」保護者会で10歳差の私たちを陰で笑った→独身同士で結ばれ堂々覆した偏見とは
「その年で恋愛とか」と笑われて
再婚を決めた私には、十歳年下の交際相手がいる。出会いは、子ども同士が通う小さな学校の保護者会だった。役員を一緒に務めるうちに、自然と距離が縮まった。
「役員、一緒だと心強いです」
「こちらこそ。話しやすくて、助かってます」
とはいえ、その頃は互いに家庭を持つ身。
気持ちには固く蓋をして、ただの気の合う仲間として一線を引いていた。二人きりで食事をすることも、私用の連絡を取り合うこともしなかった。
惹かれていると認めるほど、その線を守らなければと思っていた。
先に独りになったのは私だった。
もう何年も冷え切っていた夫婦関係に、彼女とは無関係のところで、静かに幕を下ろした。
それからさらに一年が過ぎた頃、彼女もまた、自分自身の事情で家庭を整理し、独身に戻ったと聞いた。二人とも誰にも縛られない身になって、そこで初めて、私は気持ちを打ち明けた。付き合いは、正式に、堂々と始めた。
ところが、それを知った一部の保護者が陰で騒ぎ出した。
授業参観の廊下で、聞こえよがしにこう言われた。
「その年で恋愛とか」
「子どももいるのに、みっともない」
偏見を覆した日
私は立ち止まり、その保護者たちの前に進み出た。
「みっともないですか?二人とも一人になって、順番を守って始めた関係です」
相手は一瞬言葉に詰まり、視線を泳がせた。
「そ、そういうつもりじゃ……」
それきり、声が尻すぼみになっていく。バツが悪そうに一歩下がり、隣の人の背に半分隠れた。周りで聞いていた親たちが、責めるような視線をその人に向け、そして私たちのほうへ静かにうなずいた。
「年の差なんて、本人同士が良ければいいのよ」
そう言って味方についてくれた親までいた。陰口を叩いていた保護者は、決まり悪そうにその場を離れていった。
彼女が私の腕に、そっと手を添えた。
「隠さずにいられるって、こんなに楽なんですね」
私は頷いた。誰かに引け目を感じる恋ではない。人目を忍ぶ必要のない、まっとうな関係だ。堂々と手をつないで歩けることが、何よりの答えだった。
あれから、陰で笑う声はぱたりと聞こえなくなった。参観日に廊下ですれ違っても、あの人たちは決まって気まずそうに会釈をして、そそくさと目を逸らしていく。
声高に釣り合わないと笑っていた側が、今は視線を伏せる。立場は、いつのまにか静かに入れ替わっていた。年齢の差など、二人で並んでしまえば、誰にも文句の言いようがないのだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














