「駐車場くらい自由に走らせなさいよ」子供を駐車場で遊ばせる母親。だが、我慢出来ずに抗議した結果
サーキットと化した駐車場
マンションの駐車場で、私はいつもハラハラさせられていた。
原因は、そこを遊び場にしている一組の親子だ。
幼い男の子がストライダーにまたがり、車がずらりと並ぶ駐車場を猛スピードで走り回る。
道へ飛び出すときも、戻ってくるときも、まるで止まる気配がない。
本来なら親が止めるべき場面だ。
ところがその母親は、ずっと後方をゆっくり歩いてくるだけで、危ないよの一言もかけない。
何度その光景に肝を冷やしたか分からない。
いつか事故が起きるのではないか。
そんな不安を抱えながら、私は毎日その駐車場に車を停めていた。
注意すればいいじゃないか、と思われるかもしれない。
けれど、見るからに関わりたくないタイプの親子で、下手に声をかければ角が立つのは目に見えていた。だから私も、つい見て見ぬふりを重ねてしまっていたのだ。
衝突寸前、そして張り紙
不安が現実になりかけたのは、ある休日の朝だった。
買い物へ出ようと車を発進させた瞬間、フロントガラスの向こうを、あの男の子が猛スピードで横切ったのだ。
私は反射的に急ブレーキを踏んだ。
間一髪だった。もう一秒早ければ、確実にぶつかっていた。
全身から一気に血の気が引いた。
震える手でドアを開け、私は母親に事情を伝え、注意を促した。
すると返ってきたのは、耳を疑うような言葉だった。
「駐車場くらい自由に走らせなさいよ」
彼女は迷惑そうな顔でそう吐き捨て、子どもを連れてさっさと歩き去っていった。
ここが車の出入りする場所だという意識は、まるでないようだった。
このままでは、いつか本当に取り返しのつかないことになる。
そう思った私は、その足で管理組合に一部始終を報告した。
同じ危険を感じていた住民は、ほかにも大勢いたそうだ。
一人ひとりが胸の内でヒヤリとしながらも、我慢して口をつぐんでいた。
そんな声なき声を、管理組合はきちんと拾い上げてくれた。
すると翌日、掲示板に理事会名義の張り紙が掲げられた。駐車場内での遊具の使用は禁止であること、重大な事故につながる危険があることが、はっきりと明記されていた。
直接ぶつかり合っていたら、きっと感情的なもめ事になっていた。それを避けながら問題を解けたのは、公の掲示という形をとってくれたおかげだ。
それきり、駐車場を疾走するあの親子の姿を見ることはなくなった。個人ではどうにもできなかったことが、正式な掲示ひとつで動いたのだ。静かになった駐車場を眺めながら、私はようやく安心して車を停められるようになった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














