「被害妄想なんじゃない?」告げ口を真に受け、私に詰め寄ったボスママ。だが、傷ついた本音を全てぶつけた結果
理由のわからない孤立
幼稚園のお迎えの時間が、いつからか苦痛になっていた。
ボスママに挨拶をしても、返ってくるのは冷たい沈黙だけ。
理由は、さっぱり分からない。
ある日、彼女は私を横目に、周りに聞こえる声で言い放った。
「なんか声が聞こえる気がする〜」
笑い声がさざ波のように広がる。私は、その輪の外でうつむくしかなかった。
家に帰っても、何をしたのか見当もつかないまま、胸のざわつきだけが残った。
思い返せば、その近所のママにだけは、何でも打ち明けていた。
「ボスママの態度、正直きついよね」
そんな愚痴も、彼女はいつも笑顔で受け止めてくれていた。
まさか、それを一言残らず運んでいたなんて。
助け舟を出してくれたのは、意外な人だった。
ほとんど話したこともないママが、耳打ちしてくれたのだ。
「近所のママが、あなたの愚痴を全部ボスママに流してるみたいよ」
「……あの人が?」信じたくなかった。
全部ぶつけた日
信頼していた相手に、ボスママへの愚痴をこぼしていたのは事実だった。
それが、そっくりそのまま伝わっていた。
数日後、私はボスママに呼び止められた。
あの詰め寄る顔で、彼女はまくし立てた。
「あなたいつも悪口言ってるんでしょ?被害妄想なんじゃない?」
被害妄想。その一言で、張り詰めていた何かが切れた。
「妄想じゃありません。挨拶を無視されて、聞こえる場所で嫌味を言われて、私がどれだけ苦しかったか」
「知らないわよ、そんなの」
「知らないで済ませないでください。毎日、あなたの一言に怯えていたんです」
震える声で、それでも私は目を逸らさなかった。愚痴を認めた上で、傷つけられてきた本音を、全部そのままぶつけた。
気圧されたのは、彼女のほうだった。開きかけた口が、行き場をなくして閉じる。頬がこわばり、視線が落ちていく。
「……ふん、大げさな」
そう吐き捨てるのが、精一杯のようだった。
鼻で笑いながら、彼女は逃げるように立ち去った。
あの日から、ボスママは私に近づいてこない。私も彼女とは距離を取り、告げ口をした近所のママとも、きっぱり縁を切った。
お迎えの列で目が合っても、先に逸らすのはいつも彼女のほうだ。追い詰められていたはずの私と、立場はいつのまにか入れ替わっていた。
今では誰かの陰口を借りなくても、まっすぐ前を向いて園に通えている。
それから少しして、告げ口をしたママは夫の浮気で離婚し、この土地を去っていったと聞いた。人を裏切れば、いつか自分に返ってくる。そんな当たり前を、あらためて思い知らされた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














