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2026.08.03(Mon)

「ご祝儀は3万でいいよな」親戚が式場で口にした無神経なお金の話。だが、新婦の父が一言で収めた瞬間

「ご祝儀は3万でいいよな」親戚が式場で口にした無神経なお金の話。だが、新婦の父が一言で収めた瞬間

祝いの席で飛び出した金額

親族だけを招いた、こぢんまりとした披露宴だった。

派手さこそないが、心のこもった温かい式だった。

新郎側と新婦側、あわせて二十人ほどが、いくつかの円卓に分かれて座っていた。

両家の顔合わせも兼ねた、和やかな時間になるはずだった。

料理が運ばれ、あちこちで話も少しずつ弾みはじめた、和やかな頃のことだった。

新郎側の親戚の一人が、ふいに椅子を鳴らして立ち上がった。

「ご祝儀は3万でいいよな」

まるで答え合わせでもするような口ぶりで、声だけはやたらと大きい。

「そっちのテーブルは、いくら包んだんだ」

五十代の男性は、新婦側の席のほうまで、遠慮なくぐるりと見回した。

まるで金額を競わせでもするような、無遠慮な物言いだった。

弾んでいたはずの会話が、その一言でぴたりと止まる。

グラスを持つ手を止めた人もいれば、居心地悪そうにそっと目を伏せた人もいた。

すぐそばに座っていた親戚が、慌てて彼の袖を引いた。

「その話は、やめておきましょう」

「新郎新婦の前ですよ」

「なんだよ、みんな内心は気になってるだろ」

男性は引くどころか、逆に声を一段と張り上げてしまう。

新婦が、隣の新郎とそっと不安げに顔を見合わせた。

せっかくの祝いの席が、妙な緊張に包まれてしまった。

新婦の父が収めた瞬間

そのとき、それまで一言も口を挟まずにいた新婦の父が、手にしていた箸を静かに置いた。

それまでずっと娘の晴れ姿を目を細めて見守っていた父親が、まっすぐに男性を見据える。

「祝いの席で、金の話は野暮ですよ」

決して大きくはない、けれど場の隅々まで届く、低く落ち着いた声だった。

あれだけ張り上げていた男性の勢いが、その一言ですっと引いていく。

いつのまにか、周りの視線が男性へと集まっていた。

「……いや、別に悪気があったわけじゃ」

言い訳めいた声は、最後まで続かず途中で消えた。

「今日は、二人を祝う日でしょう。私たちは、それだけで十分だ」

父親の落ち着いた言葉に、周りの親族が揃って小さくうなずいた。

その静かな同意が、男性の逃げ場をそっと塞いでいく。

男性は行き場をなくしたように、そそくさと椅子に座り直す。

気まずさをごまかすように、手元のグラスへじっと目を落とした。

さっきまでの大きな声は、もうどこからも聞こえてこない。

父親はふっと表情をやわらげ、隣に座る新郎新婦へ小さくうなずいてみせる。

いったん止まっていた笑い声が、また少しずつ、席のあちこちで戻っていった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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