「うちも困ってたんです」騒音を注意するか黙るか悩み続けた私。だが、隣人から聞いた一言とは
言うか、黙るか。週末ごとに迷っていた
週末の夜になると、近くの家から話し声や笑い声が聞こえてくるようになった。たまになら気にしない。私も昔は友人を招いて夜更かしをしたことがある。
ただ、それが何度も続いた。夜11時を過ぎても窓を開けたまま話している日もあり、テレビをつけていても声が耳に入ってくる。
「また聞こえるね」
妻が窓のほうを見た。
「一度、言ったほうがいいんじゃない?」
そう言われても、私は迷った。ごみ出しでも回覧板でも、これから何度も顔を合わせる相手だ。注意したことで気まずくなるくらいなら、窓を閉めて我慢したほうがいい。そう考えては、次の週末にまた同じことで悩んでいた。
先に声をかけた人がいた
ある晩も、遅い時間まで声が続いていた。しばらくすると外から誰かの話し声が聞こえ、そのあと急に笑い声が止まった。
やがて窓を閉める音がして、辺りは静かになった。
翌日の夕方、隣のご主人と家の前で顔を合わせた。昨夜、あの家へ話をしに行ったのだという。
「玄関先で、『うるさくて困ってます』って伝えたんですよ」
責めるようには言わず、夜遅くまで声が聞こえていることだけを伝えたそうだ。
「助かりました。うちも、ずっと言おうか迷っていて」
私がそう返すと、ちょうど通りかかった向かいの奥さんも足を止めた。
「うちも聞こえていましたよ」
困っていたのは、自分たちだけではなかったらしい。
隣のご主人によると、相手は「そんなに外まで聞こえているとは思わなかった」と話していたそうだ。注意されたことに腹を立てた様子もなく、その場で窓を閉めたという。
次の週末、その家には明かりがついていたが、以前のような声は聞こえてこなかった。
後日、道ですれ違ったときには、向こうから軽く頭を下げてきた。私も会釈を返した。それ以上、言葉を交わす必要はなかった。
注意することは、相手を責めることとは違う。あのとき隣のご主人が必要なことだけを伝えてくれたおかげで、近所付き合いを壊さずに済んだのだと思う。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














