「潰れてるじゃないか。入れ方が雑なんだよ」レジで怒鳴る客。だが、若い店員さんが静かに伝えた事実
レジに置かれたかごを見て、少し気になった
仕事帰りにスーパーへ寄ったときのことです。夕方の店内は混んでいて、私はいちばん短そうなレジの列に並びました。
私の前には年配の男性が一人いました。かごには総菜や飲み物が入っていたのですが、上のほうに大きなペットボトルが何本か横向きに重ねられていました。
その下に総菜のパックが見えていて、私は「潰れないかな」と少し気になりました。
順番が来ると、若い女性の店員さんがペットボトルを先に取り出しました。そのあと、下にあった総菜を持ち上げると、透明なふたが少しへこんでいます。
店員さんは一度手を止めましたが、そのまま商品を丁寧にスキャンし、会計用のかごへ移していきました。総菜は上に置かれていました。
ところが会計が終わった直後、男性がそのパックを持ち上げました。
「潰れてるじゃないか。レジの入れ方が雑なんだよ」
突然大きな声がして、近くにいた何人かが振り向きました。
店員さんは、見ていたことだけを伝えた
店員さんは驚いたようでしたが、すぐに男性のほうを向きました。
「申し訳ありません。ただ、こちらに来られた時から、お総菜の上にペットボトルが載っていました」
男性は黙りました。
「レジでは、ペットボトルを先に取り出して、お総菜は最後に上へ移しています」
言い返すような口調ではありません。自分が確認したことを、順番に説明しているだけでした。
私も後ろからかごを見ていたので、店員さんの話はそのとおりだと分かりました。
男性はへこんだふたを見てから、「じゃあ、もういい」と小さく言い、商品を持って袋詰めの台へ向かいました。
店員さんは追いかけることも、何か言い足すこともしませんでした。
次にかごを置いたとき、私は自分の入れ方を見直した
次は私の番でした。
「お待たせしました」
店員さんは、さっきとほとんど変わらない声で言いました。
そこで自分のかごを見ると、私も牛乳や飲み物を上から無造作に入れていました。幸い潰れそうなものはありませんでしたが、人のことを見ていた直後だけに少し気まずくなりました。
店員さんは重いものから取り出し、会計後のかごでは重い商品を下へ、柔らかいものを上へ置いていきました。
「ありがとうございます」
私はそう言って、かごを受け取りました。
あの男性が最初から店員さんを困らせようとしていたとは思いません。混んだ時間に急いで商品を入れ、自分でも総菜の上にペットボトルを置いたことを覚えていなかったのかもしれません。
ただ、何か問題が起きたとき、目の前の人のせいだと決めつける前に、自分がどうしていたかを思い返すことも必要なのだと思いました。
それ以来、私はスーパーで買い物をするとき、重いものを下に入れ、総菜やパンはなるべく最後に載せるようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














