「休みの日まで電話するの?」毎晩届く同期からの連絡。私が先輩に相談したきっかけ
誰と話したかが、毎晩そのまま返ってきた
同期の男性と二人で新人の教育係を任されてから、半年ほど経った頃だった。
仕事の確認だけだったはずの連絡が、いつの間にか夜にも届くようになった。
最初は、一日の終わりの挨拶程度だった。
「今日もお疲れ。新人の対応、大変だったね」
「お疲れさま。明日もよろしくね」
私も深く考えず、短く返していた。
ところが、少しずつ内容が変わっていった。
「今日、○○さんとけっこう話してたね」
「仕事の確認してただけだよ」
「そっか。なんか楽しそうだったから、ちょっと気になって」
最初は冗談だと思い、「そんなことないよ」と流した。
でも、別の日にも似たようなメッセージが来た。
「今日も○○さんと話してたね」
「同じ案件だから、話すことはあるよ」
「あんまり仲良くしてほしくないな」
そこで初めて、返事を打つ手が止まった。
職場で近くを通れば、誰と話しているか目に入ることはある。それでも、自分でも忘れていたような短い立ち話まで夜になって書かれると、見られているようで落ち着かなかった。
その頃には、毎晩届くようになっていた。
「今日、○○さんと話してたね」
「まだ起きてる?」
「返事ないけど、もう寝た?」
返事をしない日を増やしても、翌日会社で顔を合わせれば、彼はいつもと変わらない様子だった。
出勤していない日にも夜の電話が来ていた、あの日
私が休みを取った火曜のことは、今でもよく覚えている。
会社には行っていないし、その日は仕事の連絡もしていなかった。
それでも夕方、彼からメッセージが届いた。
「今日、休みだったね。いないとちょっと変な感じした」
少しして、もう一通届いた。
「夜、少し電話していい?」
私は返事をしなかった。
約束をしていたわけでもないし、休みの日まで話すような関係だと思っていなかったからだ。
それでも夜になると、スマートフォンの画面に彼の名前が出た。
一度切れたあと、少し時間を置いてまた鳴る。私は画面を伏せ、止まるのを待った。その夜、着信履歴には三件残っていた。
翌朝、彼はいつもどおり新人に資料の説明をしていた。
休憩室で顔を合わせたときも、最初は何事もなかったように見えた。
ところが私が飲み物を取ろうとすると、後ろから声をかけられた。
「昨日、電話したの分かってた?」
私は少し迷ってから答えた。
「うん。着信は見たよ」
「そっか。出ないから、何かあったのかなって」
「休みだったし、電話するとは聞いてなかったから」
そう言うと、彼は少し黙った。
「別に仕事の話じゃないんだけど。ちょっと話したかっただけ」
悪気なく言っているように見えたからこそ、余計に返事に困った。
彼にとっては気軽に電話できる間柄になっていたのかもしれない。でも、私はそう思っていなかった。
「ごめん。休みの日に何度も電話されるのは、ちょっと困る」
思い切ってそう伝えると、彼は驚いたような顔をした。
「あ…そっか。分かった」
それ以上は何も言われなかった。
ただ、毎晩のメッセージも続いていたため、その日のうちに同じ班の先輩へ相談した。
「最近、仕事が終わってからも毎日連絡が来るんです。昨日は休みだったんですけど、電話も三回あって……」
先輩は事情を聞いたあと、「それなら、一度上にも相談しよう」と言ってくれた。
その後、上司にも話が伝わり、新人教育の担当や配置が見直された。私は別の階で働くことになり、彼と顔を合わせる機会も減った。
距離ができると連絡の数も減り、やがて来なくなった。
あれから四年になる。私は転職し、今は同じ街にも住んでいない。
それでも、職場では休みの日の予定を細かく話さないようになった。
何気なく誰かと話したことが、その日の夜にメッセージになって返ってくる。あの頃の画面を思い出すと、今でも少し身構えてしまう。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














