「子どもは多いほうがいいよ。元気なうちにね」スーパーで話しかけてきた初対面の男性。後日、再会した私が逃げたワケ
朝の総菜売り場で、話しかけてきた人
週に何度か通っているスーパーへ、5歳の娘と朝いちばんで買い物に行ったときのことです。
総菜の棚を見ていると、買い物かごを提げた七十歳くらいの男性が娘のそばで足を止めました。
「おはよう。お母さんとお買い物?えらいねえ」
明るい口調だったので、私も「おはようございます」と軽く会釈しました。
男性は娘の顔を見ながら、さらに声をかけます。
「何歳?」
娘が少し恥ずかしそうに指を五本立てると、男性は「ああ、5歳か。かわいいねえ」と笑いました。
そこまでは、子ども好きな人なのだろうと思っていました。
ところが、今度は私に向かって聞いてきたのです。
「きょうだいは?この子だけ?」
「いえ、お兄ちゃんがいます」
「そうかそうか。じゃあ、もう一人くらいいけるね。お母さんもまだ若いんだから」
思いがけない話になり、私は返事に困りました。
「はは…どうでしょうね」
曖昧に笑って終わらせようとしましたが、少しすると男性はまた言いました。
「でも、子どもは多いほうがいいよ。元気なうちにね」
悪気はないのかもしれません。それでも、初対面の人に家族のことをここまで聞かれるのは落ち着きませんでした。
私は「じゃあ、行こうか」と娘の手を取り、軽く会釈をしてその場を離れました。
通路を変えても、後ろから声がした
数日後の朝、また娘と同じスーパーへ行きました。
冷蔵棚の前で牛乳を選んでいると、通路の先にあの男性がいることに気づきました。
目が合った瞬間、男性もこちらに気づいたようです。
「あ、この前の…」
私は反射的に視線を外しました。
また話が長くなるのが嫌で、聞こえなかったふりをして娘の手を引き、隣の通路へ入ります。
すると、後ろから足音が近づいてきました。
「待ってー」
私は振り返らず、そのまま歩きました。
少しして、もう一度声がします。
「おーい、ちょっと待って」
娘が振り返りかけ、私を見上げました。
「ママ、呼んでるよ?」
胸がざわつきましたが、娘を怖がらせたくなくて、なるべく普通の声で答えました。
「うん。でもいいの。先にお会計しよう」
買う予定だったものをいくつか残したまま、私たちはレジへ向かいました。
会計を済ませて店を出るまで、男性が近くまで来ることはありませんでした。
自転車の鍵を外しながら窓越しに店内を見ると、男性は今度はレジ付近にいた店員に何か話しかけていました。店員は作業を続けながら、ときどき短くうなずいています。
誰かと話すことが好きな人なのかもしれない、とは思いました。
それでも、こちらが離れようとしているのに後ろから何度も呼ばれたことは、どうしても気になりました。
それから、買い物は娘を送ったあとの昼に変えています。
同じ店には今も通っていて、男性の後ろ姿を遠くに見かける日もあります。そんなときは無理に近くを通らず、別の通路を選ぶようになりました。
相手にどんなつもりがあったのかは分かりません。ただ、自分と娘が安心して買い物できる距離を取ることも大切なのだと思った出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














