「夜にゴミ袋を出したでしょ!」引っ越して2か月の私を犯人扱いする上の階の住人。管理人室で私だけが気づいた事実
ゴミ当番のまとめ役
朝のロビーで、上の階の住人にゴミ出しを責められます
今のマンションに引っ越して2か月ほどたった朝のことです。
ここのゴミ出しは収集日の朝7時から8時まで。夜に置くと、カラスが袋を破るおそれがあるためです。
郵便受けを開けていると、背中から鋭い声がしました。
声の主は、上の階に住む女性。
ゴミ当番のまとめ役です。
「夜にゴミ袋を出したでしょ!」
前の晩、ゴミ置き場に袋がひとつ置かれていたそうです。私はいつも、朝になってから出しています。
「えっ、出していません」
女性は、新しい人はこれだから、と首を振るばかりでした。
管理人さんにも訴えが届き、私は防犯カメラの確認を頼みます
その後も夜のゴミ出しは続き、そのたびに私が疑われました。ある日、女性は管理人さんを連れて、ロビーで私を待っていました。
「ルールは守ってもらわないとね」
女性の決まり文句です。管理人さんは困り顔で、女性からの訴えが何度も届いていると言いました。
ロビーで会う人のあいさつも、どこかよそよそしくなっていました。
「防犯カメラを見てください」
ゴミ置き場の上には、カメラが付いていたはずでした。管理人さんは、管理会社に事情を説明して確認すると約束してくれました。
上の階の住人は、ゴミ置き場のカメラは壊れていると言いました
その日の夕方、私たちは管理人室に集まりました。今朝もまた、収集時間前のゴミ置き場に袋がひとつ置かれていたそうです。
「あのカメラ、壊れてるのよ」
女性は得意げに言いました。管理人さんも、先月から映らなくなっていると認めます。けれど私は、引っ越しの日の説明を思い出しました。エレベーターの中には、今年カメラを付けたばかりだと。
「エレベーターのカメラは?」
管理人さんは管理会社に確認し、管理規約に沿って、問題のあった時間帯の映像を必要な範囲で確認することになりました。
エレベーターの映像
エレベーターの映像には、ゴミ袋を提げた上の階の住人が映っていました
管理会社の了承を得て、管理人さんが該当する時間帯の映像を確認すると、ゆうべのエレベーターの中の様子が映っていました。
夜11時すぎ、白いゴミ袋を提げた女性がひとりで乗り込んできます。からし色のカーディガンに、赤みがかった短い巻き髪。上の階の女性本人でした。
「5階から乗ってますね」
扉の上の表示は5。女性の住む階です。
さらに映像を進めると、数分後、今度はゴミ袋を持たずにエレベーターで戻ってくる姿が確認できました。
映像だけでは、ゴミ置き場に袋を置いたとまでは断定できません。それでも、夜遅くにゴミ袋を持って外出し、手ぶらで戻ってきたことは確かでした。
故障は住人に知らされていないと聞き、私は気づきました
女性の顔が、一気に赤くなりました。
「し、仕事で朝は出せないのよ」
その言い訳で、女性が夜にゴミを出していたことが分かりました。管理人さんは、ゴミ置き場のカメラの故障について、住人にはまだ知らせていないとつぶやきました。
外から見れば、カメラはいつもどおりなのです。
「壊れてるって、知ってたんですね」
女性は以前、点検業者が故障について話しているのを偶然聞いていたようです。知っていたからこそ、安心して夜に袋を置いていたのでしょう。
しかも、自分がルールを破っていることを隠すため、引っ越してきたばかりの私に疑いを向けていたのです。
頭を下げた上の階の住人に、私は言われ続けた言葉を返しました
女性は、しばらく黙ったあとで頭を下げました。
「…ごめんなさい」
私は、何度も聞かされたあの言葉を、そのまま返しました。
「ルールは守ってもらわないとね」
その後、管理人さんから、私のゴミ出しには問題がなかったことを関係する住人に説明してもらえました。
翌月、ゴミ当番のまとめ役はほかの方に替わりました。掲示板には、ゴミ出しの時間を守るよう改めて呼びかける張り紙が出ました。ロビーで私を避けていたご近所さんも、また笑顔であいさつしてくれるようになりました。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














