「話にならん、別の案にしろ!」徹夜の案を1秒で丸め、『俺の目は、ごまかせないぞ!』と言い張る部長の末路
目利きが自慢の部長
徹夜で仕上げた一案目を、部長は1秒見ただけで丸めました
私は広告制作会社で、デザイナーをしています。取引先の夏のキャンペーンのポスターを任され、徹夜で一案目を仕上げました。
ある朝、その紙を部長に差し出しました。部長は1秒ほど目をやっただけで、紙を両手で丸めます。
「話にならん、別の案にしろ!」
「もう一度だけ、見てください。」
部長は、一度見た案は絶対に忘れないと言い切りました
部長は丸めた紙を足元のゴミ箱へ放ると、自分の目を指さしました。デザインの目利きが、部長の自慢です。
「一度見た案は、絶対に忘れない。」
「俺の目は、ごまかせないぞ!」
何度作り直しても、部長は理由を言わずに突き返しました
それから2週間、私は作り直し続けました。
どこを直せばいいか聞いても、「なんか弱い」「もっと夏らしく」と言われるだけ。具体的な指示は一度もなく、その後も紙は裏返して突き返されるばかりでした。
締め切りの2日前の夕方、10枚目も突き返した部長は、部署のみんなに聞こえる声で言いました。
「10枚出してこれか!」
「締め切りは明後日だぞ!」
私は年次も下で、取引先の窓口も部長です。言い返せば、この仕事から外されるかもしれません。みんなの視線の中、黙って頭を下げました。
締め切り前日の1枚
考え直した1枚を出すと、部長は大きくうなずきました
その夜、これまでの案を見直しました。10枚も作ったのに、部長からは具体的な修正理由を聞けていません。
改めて一枚ずつ見比べ、自分が一番良いと思うデザインを選ぶことにしました。
翌朝、印刷した紙を1枚、部長の机に置きます。考え直した結果、これが一番だと思います。
そう伝えると、部長は紙を手に取り、大きくうなずきました。
「ほら、やればできる!」
「俺が言ってたのはこれだ!」
部長は満足そうに、紙を机に置きました。
部長がほめた紙の隣に、しわだらけの紙を並べました
私は自分の席へ戻り、引き出しから紙を1枚持ってきました。しわだらけのその紙を、部長がほめた紙の隣に並べ、手のひらで伸ばします。
2週間前、部長が席を外したあと、どうしても捨てきれず、ゴミ箱から拾っておいた一案目です。
水色の空に大きな黄色い太陽、その下に濃い青の山。太陽や山の配置も、配色も、2枚はまったく同じでした。
「部長が丸めた一案目です。」
「一か所も直していません。」
今朝の紙は、一案目のデータをそのまま刷ったものです。何度見直しても、最初の案が一番良いと思えました。部長から具体的な修正理由を聞けなかったからこそ、もう一度だけ、先入観なしで見てほしかったのです。
違いはしわだけと言われ、部長は机に手をついて固まりました
部長は2枚を見比べ、言いかけました。
「前のとは、色が違う…。」
「違うのは、しわだけです。」
10枚も出させて、部長が選んだのは、自分で丸めた1枚目でした。昨日の怒鳴り声を聞いた同僚たちが、手を止めてこちらを見ています。
部長は椅子に座ったまま両手を机につき、口を引き結んで目をそらしました。この案で先方に出します。直す所は、これから言葉で教えてください。そう言うと、部長は小さくうなずくだけでした。
翌日、部長は自分が丸めた案を、自分の口で先方に説明しました。それ以来、部長が具体的な理由もなく案を却下すると、同僚たちも修正すべき点を尋ねるようになりました。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














