「全然聞こえないじゃない」授業参観中ずっと世間話をしていた母親2人。だが、先生の穏やかな注意に思わず沈黙
息子の授業参観、うしろから聞こえてきた世間話
半年ほど前、息子の通う小学校で授業参観がありました。
教室のうしろには保護者たちが並び、私もその中に立っていました。
窓際の席にいる息子に小さく手を振り、授業が始まるのを待っていました。
私の隣には、40代くらいの母親が2人いました。
最初は小声で話していたのですが、授業が始まってからも会話が続いています。
「そういえば、この前の役員の集まりってどうなった?」
「ああ、あれね。結局、何も決まらなかったのよ」
「えっ、また?」
2人は顔を寄せ合って話していましたが、声は周囲にも聞こえる大きさでした。
先生が黒板の前で説明していても、おしゃべりは止まりません。
ときどき笑い声まで聞こえてきます。
私は何度か隣を見ましたが、2人は気づいていない様子です。
ほかの保護者たちも、ちらちらと2人のほうを見ていました。
少しくらいならともかく、授業中ずっと話し続けるのはどうなのだろう。そう思いながらも、私は何も言えずにいました。
「全然聞こえないじゃない」と言った母親に、先生が一言
授業の後半になると、子どもたちが順番に作文を発表する時間になりました。
前の席にいた女の子が立ち上がり、原稿を両手で持って読み始めます。
少し緊張しているのか、声は小さめでした。
それでも、一生懸命に読んでいるのが伝わってきます。
そのとき、隣にいたカーディガン姿の母親が、ぽつりと言いました。
「全然聞こえないじゃない」
もう一人の母親も、女の子のほうを見ながら答えます。
「ちょっと声、小さいよね」
すると、カーディガン姿の母親が続けました。
「先生も、もう少し大きな声で読むように言えばいいのにね」
私は思わず2人のほうを見ました。
声が小さいのは確かかもしれません。でも、授業中ずっと話していたのは自分たちです。
その声で、こちらも発表が聞き取りにくくなっていたのに…。
女の子が作文を読み終えると、先生が教室のうしろに目を向けました。
「すみません、保護者の皆さん。授業中のお話は少し控えていただけますか。子どもたちの声が聞こえにくくなってしまうので」
穏やかな口調でしたが、教室のうしろまで、はっきりと聞こえました。
隣の2人も先生のほうを見ました。
「あ、すみません……」
カーディガン姿の母親が小さく答え、もう一人も気まずそうに目を伏せました。
先生はそれ以上何も言わず、女の子に向き直りました。
「最後の一文だけ、もう一回読んでもらってもいいかな?」
女の子はうなずき、先ほどより少し大きな声で読み直しました。
今度は私のいる教室のうしろまで、言葉がはっきり届きました。
読み終わると、保護者たちから拍手が起こりました。窓際の席では、息子も手をたたいています。
隣の2人は、その後も授業が終わるまで静かにしていました。
先生は誰かを名指しで叱ったわけではありません。ただ、子どもたちの発表をきちんと聞けるように、必要なことを伝えただけでした。
大きな声で注意しなくても、伝わるものなのだなと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














