「あなたのために使ったんだから」私の貯金50万円以上を使った母。親戚の前で楽しそうに話す姿に、背筋が冷たくなった
「頼れるのはあなただけ」と言う母
学生のころ、母からお金を貸してほしいと頼まれることがよくありました。
昼間、台所にいると、母が申し訳なさそうな顔で声をかけてきます。
「悪いんだけど、今月もちょっと助けてもらえない?」
「えっ、また?この前も渡したよね」
「そうなんだけど…。お願い、今月だけ」
「妹には頼めないの?」
「頼れるのはあなただけなのよ」
そんなふうに言われると、なかなか断れません。
結局、財布から1万円ほどを出して渡していました。
たまに返してもらえることはありましたが、そのままになることがほとんど。
それでも家族だからと、強く返済を求めることはありませんでした。
その後、アルバイトの日が増え、銀行に行く時間がなかなか取れなくなりました。
そこで私は、アルバイト代が入る通帳を母に預け、必要なときに代わりにお金を下ろしてもらうことにしたのです。
「じゃあ、お願いね」
「うん、預かっておくね」
それまで何度もお金を貸していたのに、母が勝手に使うとは考えていませんでした。
50万円以上あったはずの通帳
ところが、何か月かたったある日の夕方。母に居間へ呼ばれました。
「ちょっと話があるんだけど」
母はそう言って、私の前に通帳を置きました。
「ごめんね。お金、もう使っちゃったの」
「えっ?どういうこと?」
通帳には、アルバイトでためた50万円以上のお金が入っていたはずです。
「何に使ったの?あんなにあったのに?」
「あなたの生活費よ。ごはんだって、部屋まで持っていってあげたでしょう」
確かに、母が食事を部屋まで運んでくれたことはありました。
でも、母は父から生活費を受け取っていたはずです。
どうして私の貯金まで使う必要があったのでしょうか。
「でも、お父さんから生活費もらってたよね?」
「だから、あなたのために使ったんだから」
母はそう繰り返すばかりで、何にいくら使ったのかは教えてくれませんでした。
私が納得できずにいると、母は困ったように笑っていました。
結局、50万円以上のお金は戻ってきませんでした。
親戚の前で繰り返される話
それから何年もたった、親戚が集まった日のことです。
私が台所でお茶を用意していると、居間から母の声が聞こえてきました。
「あの子にはちゃんと言ったのよ。あなたのために使ったんだからって」
思わず手が止まりました。あの通帳のお金の話だと、すぐにわかったからです。
「こっちだって、いろいろしてあげたのにね。恩知らずなこと言うのよ。私だって大変だったんだから」
母は笑いながら話していました。
居間をのぞくと、おばたちは母の話にうなずいています。私と目が合った母は、何事もなかったかのように笑って手を振りました。
私にとっては、一生懸命アルバイトをしてためたお金です。
それを使われたこともショックでしたが、母が今でも自分のほうが大変だったという話をしていることが、何より悲しく感じられました。
今は自分のお金を自分で管理しています。
それでも母は、親戚が集まるたびに同じ話を笑いながら続けています。
その声を聞くたびに、通帳を前にして「もう使っちゃった」と言われた、あの日のことを思い出してしまうのです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














