「昨日のバーベキュー、お肉が焦げてたわね」隣人の視線が気になりフェンスを設置した私。翌朝、隣人が笑顔で告げた言葉に感じた恐怖
庭に出るたびに顔を合わせる隣人
何年か前、私は戸建ての家に引っ越しました。近所にはお年寄りが暮らす家が多く、隣にもおばあさんが住んでいました。
最初は気さくな人だと思っていたのですが、暮らしているうちに、少し気になることが出てきました。
私が外に出ると、隣のおばあさんも庭にいることが多いのです。仕事へ出かける朝も、休日に花へ水をやっているときも、よく顔を合わせました。
「あら、お出かけ?」
「はい、ちょっと行ってきます」
「気をつけてね」
声をかけてもらうのはありがたいのですが、あまりに頻繁なので、次第に気になるようになりました。
庭に出るときだけでなく、家の中にいても、隣からこちらが見えているのではないかと考えてしまいます。カーテンを閉めて過ごす日も増えていきました。
そこで私は、隣の家に面した側だけに、黒い目隠しフェンスを取り付けることにしました。
工事が終わった朝、庭に出ていると、フェンスの切れ目からおばあさんが声をかけてきました。
「あら、新しいフェンスね。立派だわ」
「はい。庭で少し落ち着いて過ごしたくて」
「そうなのね」
おばあさんはそれ以上何も聞かず、いつもどおりの様子でした。
フェンスを付けてからは、庭でおばあさんと顔を合わせることも減りました。以前ほど隣の家を意識せずに過ごせるようになり、私はほっとしていました。
バーベキューの翌朝に言われたこと
その週末、友人を呼んで庭でバーベキューをしました。
久しぶりに友人たちと集まり、話をしながら肉を焼いていると、つい焼き加減を確認するのを忘れてしまいました。
「あっ、お肉焦げてるよ!」
「本当だ!ごめん、話に夢中になってた」
そんなやり取りをしながら、楽しい時間を過ごしました。
フェンスの向こうから声をかけられることもなく、夕方には友人たちを門まで見送りました。
ところが、翌朝のことです。
ゴミ袋を持って家の前の道に出ると、隣のおばあさんが近づいてきました。
「おはようございます」
「おはよう。昨日はバーベキューしてたのね」
「はい、友人が来ていたので」
すると、おばあさんは笑顔でこう言いました。
「昨日のバーベキュー、お肉が焦げてたわね」
「えっ、そうなんです。声が聞こえていましたか?」
「ええ。『焦げてる』って聞こえたから。お友だちが帰るところも見かけたわよ」
「そうだったんですね。昨日は少し騒がしかったでしょうか」
「そんなことないわよ。楽しそうだったわね」
おばあさんはにこやかにそう言うと、自分の家へ戻っていきました。
肉が焦げたことは、友人の声を聞いて知ったのでしょう。友人を門まで見送った姿も、家の前からなら見えるはずです。
そう考えれば、おばあさんが話したことに不思議な点はありません。
それでも、庭が見えないようにフェンスを付けたあとも、こちらの様子を詳しく知られていたことが気になりました。
おばあさんに悪気はないのかもしれません。ただ、何気なく話したことや、誰が家に来たかまで知られていると思うと、どうしても落ち着かないのです。
今もおばあさんとは、会えば挨拶を交わす程度の付き合いです。
けれど庭に出ると、ついフェンスのすき間を確かめてしまいます。以前ほど顔を合わせなくなった今でも、隣からの視線を完全には気にせずにいられません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














