「あの子、今月は生活費が足りないんだって」母親を通して、お金を借りる弟。だが、玄関先で母が返済を確認した結果
5万円を返さない弟
3年ほど前、実家の居間で母から頼みごとをされました。
「あの子、今月は生活費が足りないんだって。すぐ返すって言ってるから、5万円貸してあげられない?」
弟は私に直接頼むのではなく、母を通してお金を借りようとしていたのです。
少し迷いましたが、困った様子の母を見て断りきれず、私は5万円を母に渡しました。
ところが、それからしばらくたっても、弟から返済の話はありません。
それどころか、実家で顔を合わせると、新しく買ったゲームを嬉しそうに見せてくるのです。
「姉ちゃん、これ見てよ。発売日に買ったんだ」
「へえ……。生活費はもう大丈夫なの?」
「うん、何とかなったよ」
弟はそう答えると、ゲームの箱を開け始めました。
生活費が何とかなったのなら、借りたお金も返してほしい。そう思いましたが、母も近くの台所にいたため、その場で言い争うのは避けたくなりました。
結局、返済についてはっきり言えないままでした。
その後も、実家で弟に会うたびに新しいスニーカーを履いていることがありました。
買い物をする余裕はあるのに、どうして5万円は返してくれないのだろう。
弟の様子を見るたび、そんな不満が募っていきました。
新しいスニーカーを見た母の一言
ある日の昼、実家の玄関で弟と顔を合わせました。
弟はまた新しいスニーカーを履いていました。
「これ、いいでしょ。限定のやつなんだ」
そう言って、嬉しそうに足元を見せてきます。
そこへ母が出てきました。
「あら、また新しい靴?そういえば、靴買いたいのはわかるけど、お姉ちゃんに借りた5万円は返したの?」
弟は一瞬黙り、目をそらしました。
母が私に尋ねます。
「もう返してもらった?」
「ううん、まだだよ」
それを聞いた母は、驚いたように弟を見ました。
「えっ、まだ返してないの?」
「いや、その……」
弟が言葉を濁すと、母は少し厳しい口調になりました。
「そのスニーカーより先に、お姉ちゃんに返しなさい」
「生活費が足りないって言うから、私がお姉ちゃんにお願いしたのよ。買い物する余裕があるなら、借りたお金を先に返さないと」
弟は何か言おうとしましたが、結局何も言い返さず、足元を見つめていました。
いつもは新しく買ったものを嬉しそうに見せてくる弟が、黙っている姿を見て、私も少し驚きました。
母が代わりにはっきり言ってくれたことで、胸のつかえが少し取れた気がしました。
その翌週、私の口座に5万円が振り込まれていました。
母からも電話がありました。
「あのときは、頼んで悪かったね」
「ううん。ちゃんと返してもらえたから、もう大丈夫だよ」
それ以来、弟が母を通してお金を頼んでくることはなくなりました。
今も実家の玄関で弟のスニーカーを見かけますが、私が帰ると、弟は以前のように自慢することもなく、黙って靴箱にしまうようになりました。
お金を貸したこと以上に、なかなか返してもらえなかったことが、私には引っかかっていたのだと思います。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














