「うちの壁に傷をつけて、ただで済むと思うなよ」雪かき中の子どもを怒鳴った隣人。謝罪した数日後、庭で見た恐ろしい光景
雪かき中に起きた隣家とのトラブル
数年前、ひと晩で大量の雪が積もった冬の日のことです。私は昼間ずっと仕事に出ていて、家には妻と、当時小学生だった子どもがいました。
うちと隣の家の敷地の境目には、塀も柵もありませんでした。その日は雪で境目が分かりにくくなっており、子どもはガレージの雪かきをしているうちに、知らず知らず隣の敷地まで入ってしまったそうです。
さらに、雪をかいている途中で、スコップの柄の先が隣の家の外壁に当たってしまいました。
物音に気づいて出てきた隣のご主人は、壁の当たったところを確かめると、雪の上に残ったスコップの跡を見て、子どもにこう言ったそうです。
「ここ、うちの土地だぞ」
「ごめんなさい」
子どもはすぐに謝りましたが、ご主人の怒りは収まらなかったようです。
「うちの壁に傷をつけて、ただで済むと思うなよ」
夜、仕事から帰った私に、妻がこの出来事を話してくれました。
「雪で境目が分からなかったみたい。でも、壁にスコップが当たっちゃったらしくて」
「そうだったのか。それはちゃんと謝らないとね」
子どもに悪気はなかったのでしょう。それでも、隣の敷地に入って壁にスコップを当ててしまった以上、親として謝罪する必要があります。
私は翌日、半日休みを取り、菓子折りを持って隣の家へ向かいました。
謝罪から数日後、庭の境目にあったもの
玄関に出てきたのは奥さんでした。
「昨日は子どもがご迷惑をおかけしました。ご主人はいらっしゃいますか?」
「すみません、今は仕事で出ていまして」
「そうでしたか。子どもが壁にスコップを当ててしまったと聞きました。本当に申し訳ありません。こちら、よろしければ」
「まあ、ご丁寧に。ありがとうございます」
奥さんはにこやかに応じ、両手で菓子折りを受け取ってくれました。
ご主人に直接謝れなかったことは気になりましたが、ひとまず謝罪の気持ちは伝えられたと思い、その日は帰宅しました。
ところが、その週末の朝のことです。
雪の残る庭に出た私は、隣の家との境目を見て驚きました。
そこには、腰より高い鉄格子がずらりと設置され、その上には有刺鉄線まで張られていたのです。
謝罪に行ってから、まだ数日しかたっていません。
雪かきの一件が関係しているのだろうか。そう考えましたが、隣の家から何か説明を受けたわけではありません。
ただ、以前は何もなかった境目に、これほど大がかりなものができていることに驚きました。
しばらく鉄格子を眺めていると、ふと隣の家の窓が目に入りました。
奥さんがガラス越しに、こちらを見ていたのです。
その顔には、菓子折りを受け取ってくれたときと同じような、にこやかな笑顔が浮かんでいました。
家に戻ると、妻が声をかけてきました。
「外、何かあったの?」
「隣との境目に鉄格子ができてたんだ。上には有刺鉄線まであったよ」
「えっ、そんなものが?」
「うん。奥さんも窓からこっちを見てた」
あれから数年がたちました。
鉄格子も有刺鉄線も今もそのままで、隣の家とはひと言も口をきいていません。ただ、それ以上のトラブルが起きたわけでもありません。
あの鉄格子が、雪かきの一件をきっかけに設置されたものなのか、今も本当のところは分かりません。
それでも、境目の前を通るたびに、あの日、窓越しに見た奥さんの笑顔を思い出すのです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














