「おい、詰めろよ!」満員電車で強引に割り込む強面の男性。直後、車内がほっこりした空気に包まれたワケ
その日は、立っているのもやっとの通勤ラッシュ。車内は殺伐とした空気が流れていました。
私は運良く空いた席を、隣で辛そうにしていたおばあちゃんに譲りました。「あら、いいのかい? ありがとうね」と微笑むおばあちゃん。その優しい笑顔に、私の心も少し軽くなりました。
ところが、そんな穏やかな空気を切り裂くように、一人の男性が無理やり乗り込んできたのです。
「邪魔だ、どけ!」周囲を威圧する男
「おい、詰めろよ!」
恰幅の良い、見るからに不機嫌そうな男性でした。彼は私の肩を強く押し退けると、狭い隙間に強引に体をねじ込んできました。
「痛っ……」
私がよろめいても謝るどころか、舌打ちをして睨みつけてくる始末。周囲の乗客も、男性のあまりの傍若無人ぶりに、不快感を露わにしています。
男性はふんぞり返り、周囲を威嚇するような態度でスマホを取り出しました。しかし、あまりの混雑で腕を動かすのも一苦労といった様子。するとその時、男性のスマホから「ある音」が漏れ出しました。
車内に響いた“天使の声”
『じいじ、しゅきー!お歌うたうね!』
静まり返った車内に響き渡ったのは、3歳くらいの幼い女の子の、これ以上ないほど甘い声でした。イヤホンをつけ忘れたのか、音は車内に響き渡りました。
『かえるのうたが〜』
男性のスマホから、一生懸命に歌う孫娘さんらしき動画がノンストップで流れ始めます。先ほどまで「どけ!」と怒鳴っていた男性の顔が、一瞬で真っ赤に染まりました。
「っ、うわ、あ……!」
慌てて音を消そうとしますが、無理やり割り込んだせいで周囲の人と密着しすぎており、肘を曲げることすらできません。
もがけばもがくほど、スマホからは破壊力抜群の音声が繰り返されます。
強面のおじさんが、孫にデレデレなのが丸わかり。そのあまりのギャップに、車内にはクスクスと笑い声が漏れ始めました。
おじさんは滝のような汗をかき、次の駅でドアが開いた瞬間、逃げるように降りていきました。
座っていたおばあちゃんと目が合うと、二人で思わずニッコリ。「可愛いお孫さんだったわね」と無言で通じ合った、不思議と清々しい朝でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














