
彩りを失う売り場。見栄えを追求しすぎた日本の消費文化が直面する資源制約のジレンマ
大手菓子メーカーのカルビーが、中東情勢の悪化による印刷インクの調達難を理由に、「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」など主力14商品のパッケージを白黒に変更するという、あまりにも異例の決断を下したのです。
お馴染みのオレンジや黄色といった鮮やかなカラーリングを捨て、無彩色の2色のみで店頭に並ぶ光景は、単なるデザイン変更の枠を超え、私たちの消費生活の脆弱性をまざまざと見せつけています。
この問題の根深さは、一時的なインク不足にとどまらず、私たちが無意識に求めてきた「過剰な見栄え」への痛烈な問いかけになっている点にあります。
中身の品質や味は一切変わらないにもかかわらず、原油やナフサを原料とするインクが手に入らないだけで、商品の提供すら危ぶまれるのが現状です。
この綱渡りのような供給体制のもとで下された苦渋の決断に、消費者からは驚きとともに、自らの消費行動を見つめ直す声が噴出しています。
SNS上では、こうした現状に対する多様な意見が縦並びに続いています。
「カルビーの決断は素晴らしいと思います。一方で、これほどの大企業が供給維持のために対応を迫られるほど、状況が切迫しているということでもあります」
「白黒だとイメージ全く違う。これはこれでレトロ感というかオシャレな感じがしなくもないし、外装の変化で感じる味が変化するか興味もある」
「意を決しての決断だと思う。いつまでこの状況がつづくかもわからないし、消費者にできるだけ値上げせずして商品を届けたい、という思いが強く伝わりました」
「今回のナフサ不足で改めて思ったのは、日本人は見栄えを気にしすぎだと言う事。豪華なお弁当の容器も、ほんの数時間で捨てるんだよなと思うと微妙な気持ちになりました」
商品の魅力を高めるために色彩を追い求めた結果、いざという時に供給網の首を絞める要因になってしまうという皮肉な構図が浮かび上がります。
安価で美味しいお菓子を提供し続けるためには、コストの抑制と安定供給は至上命題です。
しかし、中身ではなく外装を維持するために多額の調達コストや労力を割き続けるのであれば、それは巡り巡って商品価格への転嫁という形で、消費者の首を絞めることになりかねません。
私たちは今、華美なパッケージングと、本質的な商品価値のバランスを再考すべき局面に立たされています。














