「その白い紙、こっちにちょうだい」役員決めのくじを操作したママ友。だが、その場で露見して空気が凍りついた
役員決めの場で起きた、信じられないひと言
子どもの学校で、その年のクラス役員をくじで決めることになった日のことです。
集まった保護者の前で、小さく折った紙が配られ、当たりの「役員」が入っている紙を引いた人が担当する、という説明がありました。
進行役をしていたのは、ふだんから保護者の集まりをよく仕切っているママでした。
てきぱきしていて頼りにされている人だったので、その場にいた誰も、特に疑うことはしていませんでした。
全員に紙が配られ、「では開いてください」と言われて、それぞれが自分の手元を見たときです。
進行役のママが、隣にいたおとなしい雰囲気のママに、身を寄せて小さな声で言いました。
「その白い紙、こっちにちょうだい」
最初は何のことかわかりませんでしたが、すぐに意味が伝わりました。
進行役のママの手元には「役員」の紙があり、隣のママは白紙を引いていたのです。
つまり、自分に当たった役員を相手に押しつけて、白紙と入れ替えようとしていたのでした。
言われたママは顔色を変え、戸惑ったまま紙を握りしめていました。周囲の保護者たちもそのやり取りに気づいたようでしたが、あまりに突然のことで、教室の空気はしんと静まり返ってしまいました。
そのまま見過ごしてはいけないと思い、私は思いきって声を出しました。
「今の、紙を入れ替えるってことですよね」
そのひと言で、止まっていた空気が一気に動き出しました。
その場でやり直しになり、空気が変わった
声をかけられた進行役のママは、あからさまに動揺した様子で、「ち、違うの。そんな大げさな話じゃなくて、ちょっと言ってみただけ」と苦笑いを浮かべました。
けれど、隣にいたママは勇気を振りしぼるように、はっきり言いました。
「冗談には聞こえませんでした。代わってほしいって、本気で言われたので……」
それをきっかけに、まわりの保護者たちも口を開き始めました。
「それはさすがにだめでしょう」
「その場で交換するなんて、おかしいですよね」
何人かが続けてそう言うと、進行役のママは言い返せなくなり、気まずそうにうつむきました。さっきまでの強い口調は消えて、落ち着かない様子で視線を泳がせていました。
すると別のママが、「一度やり直したほうがいいと思います。今度は別の人が確認しながら進めませんか」と提案しました。みんなもそれに賛成し、その場でくじはやり直しになりました。
今度は進行役ではない保護者が紙を用意し、全員が見ている前で配り直しました。さっきのようなやり取りが起きる余地はなく、役員もきちんと決まりました。
帰り道、最初に交換を迫られていたママが、ほっとしたように私に言いました。
「あのままだったら、怖くて何も言えませんでした。本当に助かりました」
その言葉を聞いて、見て見ぬふりをしなくてよかったと心から思いました。少し勇気を出しただけで、場の流れが変わることもあるのだと実感した出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














