「黒なら大丈夫だと思っていた」法事で大きな帽子をかぶった親戚。だが、住職がそっと声をかけた結果
黒なら問題ないと思ったようで
母方の親族の法事に出席したときのことです。
会場となったお寺には、黒い喪服姿の親戚が少しずつ集まっていました。
私も久しぶりに会う親戚に挨拶をしながら、本堂に入る時間を待っていました。
そんななか、おじの妻にあたる女性がやってきました。
黒いワンピースに黒い靴。服装自体は落ち着いていたのですが、頭にはつばの広い大きな黒い帽子をかぶっています。
あとで聞いたところ、その日は朝から日差しが強く、髪も整える時間がなかったため、移動中に帽子をかぶってきたのだそうです。
本人としては「黒なら法事でも問題ないだろう」と考えていたようでした。
そのまま本堂へ入ろうとして
ところが、その女性は帽子をかぶったまま本堂へ入ろうとしました。
近くにいた親戚の何人かが、少し気にするような視線を向けていました。
とはいえ、派手な色の帽子ではありません。
本人にも悪気はなさそうですし、わざわざ皆の前で注意するほどのことなのかと、私も迷っていました。
おじが小さな声で「帽子、どうするんだろうな」とつぶやきましたが、妻に直接言うことはありませんでした。
私自身も、法事では帽子を外すものだろうとは思いましたが、親戚同士だからこそ、言い方によっては余計な空気になってしまいそうです。
そのまま読経の時間が近づいてきました。
住職が自然に声をかけた
すると、本堂へ案内していた住職が、その女性のところへ歩み寄りました。
そして帽子を見ながら、穏やかな声でこう言ったのです。
「中ではお帽子を外していただければ大丈夫ですよ。こちらに置いておきましょうか」
注意するというより、ただ案内をするような言い方でした。
女性は一瞬きょとんとしたあと、「あ、そうなんですね」と言って、すぐに帽子を外しました。
「黒だから大丈夫だと思ってました」
そう言って少し恥ずかしそうに笑うと、住職も「外ではどうぞそのままで」と笑っていました。
それだけのやり取りでした。
誰かを非常識だと責めることもなく、周囲が騒ぐこともなく、そのままいつも通り法要が始まりました。
私はその様子を見ながら、本人に悪気がないときほど、強く注意する必要はないのかもしれないと思いました。
何が正しいかだけではなく、相手がどういうつもりだったのかを考えながら伝える。住職の自然な声のかけ方が、今でも印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














