「管理会社に言うなんて、神経質ね」毎日の騒音に耐えかねて相談した私。エントランスで言われた一言に絶句
「お互い様」で片づけられなかった毎日の音
上の階に新しい家族が引っ越してきたのは、1年ほど前のことだ。
小さな子どもが2人いるようで、そういう時期もあるよね、と最初は思っていた。私自身、多少の物音で目くじらを立てるつもりはなかった。
けれど、それは毎日だった。
朝6時に天井の上で音が鳴りはじめ、走るような足音と、床が沈むような振動が、夜11時を過ぎても続く。
一日や二日ならやり過ごせる。終わりが見えないから、こたえた。
眠りが浅くなり、休日も体が重いままだった。
ある朝、洗面所の鏡に映った自分の顔を見て、さすがにまずいと思った。
音が気になりはじめると、鳴っていない時間まで身構えてしまう。天井を意識しない夜が、いつからかなくなっていた。
「これ、私が我慢し続ける話なのかな」
受話器を持つ手は汗ばんでいたけれど、私は管理会社に電話をかけた。
担当者は最後まで話を聞いてから、こう言ってくれた。
「お部屋は伏せます。まずは全戸へのお知らせで、様子を見させてください」
角を立てないやり方だった。
数日後、各戸のポストにお知らせが入り、掲示板にも同じ紙が張り出された。
どの部屋のこととも書かれていない、騒音にお困りの方がいます。生活音への配慮をお願いします、という短い文面。
これで少しは変わるかもしれない。そう思っていた。
冷たい視線のあとに、届いた一本の電話
エントランスで上の階の母親と鉢合わせたのは、その週の帰り道だった。私の顔を見た瞬間、彼女の表情が固くなった。
「あなたクレーム言ったでしょ?管理会社に言うなんて、神経質ね」
「子どもがいれば、あれくらいの生活音は仕方ないでしょう」
言葉は鋭かった。それでも、腕には荷物が積み重なり、髪は乱れたままで、この人にも余裕がないのだと分かってしまった。
だから何も返せなかった。会釈だけして部屋に戻り、私は自分の判断を疑いはじめた。相談したのは、やりすぎだったのだろうか。
その迷いが消えたのは、数日後にかかってきた管理会社の電話だった。
担当者は前置きをせずに、こう切り出した。
「実は、ほかのお部屋からも同じご相談が複数寄せられていました」
「まとめてご報告した上で、あらためて個別にお伝えしました」
私だけが騒いでいたわけではなかった。その事実だけで、ずっと胸につかえていたものが軽くなった。
それ以降、夜遅くの音は目に見えて減った。上の階の母親とは、廊下ですれ違えば会釈を交わすだけの関係が続いている。
謝られたわけでも、仲良くなったわけでもない。ただ私は、静かな夜を取り戻した。声を上げてよかったと、今は思っている。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














