「交通費だってかかってるんだよ!」返品できないと伝えても納得しない客。だが、店長が対応した結果
返品できないと、二度説明した
今の店で働き始めて、まだそれほど経っていなかったころのことです。レジで対応に困ったお客様がいると呼ばれることがあり、その日もカウンターへ向かいました。
そこには、返品したいという商品が置かれていました。購入されてからかなり日が経っていて、すでに使われた形跡もあります。
店の決まりでは、返品をお受けできない状態でした。
私は商品を確認してから、できるだけゆっくり説明しました。
「申し訳ありません。こちらの商品は返品をお受けできない決まりになっています」
すると、お客様の声が少し大きくなりました。
「客が返品したいって言ってるのに、できないの?」
私はもう一度、購入から時間が経っていることや商品の状態から、返品を受けられないことを説明しました。
それでも納得していただけません。
「わざわざ店まで持ってきたんだから、交通費だってかかってるんだよ!」
そう言われても、私の判断で返品や交通費のお支払いをすることはできません。やがてお客様から「責任者を出して」と言われ、私は店長を呼びました。
店長が伝えた、もう一つのこと
店長も商品を確認し、私がそれまでお伝えした内容を最初から説明しました。これで同じ説明は三度目です。
それでもやり取りは終わりませんでした。
声が売り場まで響き、近くのお客様がこちらを振り返っています。レジの後ろには列ができ、別の店員が隣のレジへお客様を案内し始めていました。
そこで店長が、声を荒らげることなく言いました。
「申し訳ありませんが、ほかのお客様のご迷惑になります」
その言葉のあと、お客様はしばらく黙っていました。そしてカウンターに置いていた商品を手に取ると、そのまま帰っていきました。
謝罪があったわけでも、店側が特別な対応をしたわけでもありません。ただ、長く続いていたやり取りが、そこでようやく終わりました。
列が動き始め、売り場がいつもの雰囲気に戻ったころ、店長が小さな声で言いました。
「長かったね。お疲れさま」
「ありがとうございました」
私はそれだけ返しました。
返品できない理由を何度説明しても、納得してもらえないことはあります。あの日は、店の決まりを説明するだけでは話が終わらず、周囲のお客様にも影響が出ていることを伝えたところで、ようやく状況が動きました。
今も同じ店で働いています。説明が長引いたときは、目の前のお客様だけでなく、レジの列や周囲の様子にも気を配るようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














