「まだ続いてますね」機内食の配膳中、CAを15分近く引き止めた男性客。周囲の乗客が困惑したワケ
ベルトのサインが消れると、すぐに配膳が始まった
東京から大阪へ向かう短い便に乗ったときのことです。
ベルト着用サインが消れると、乗務員はすぐに飲み物と食事の準備を始めました。私が座っていたのは食事つきの席で、この日の便を取ったときから少し楽しみにしていました。
「お飲み物は何になさいますか」
「温かいお茶をお願いします」
ほどなくして盆が運ばれてきました。区画の座席数はそれほど多くなく、通路では二人の乗務員が手際よく動いています。
ところが、箸を取ろうとしたところで、二列ほど前から男性の大きな声が聞こえてきました。
ひとつの席で、対応が続いていた
何を話しているのかまでは聞き取れません。ただ、低く大きな声が途切れず続いていました。
乗務員の一人がその席の横で立ち止まり、男性の話を聞いています。
少しして水を持って戻りましたが、それでもやり取りは終わりません。
もう一人の乗務員は残った乗客への配膳を続けていましたが、何度かそちらの席を気にしている様子でした。
後ろからも、小さな声が聞こえます。
「ずいぶん長いですね」
「何かあったんでしょうか」
私にも事情は分かりません。
体調が悪いのか、何か困ったことがあるのか、それとも別の理由なのか。
ただ、その席への対応が長く続いていることだけは分かりました。
やがて着陸準備の案内が流れます。
乗務員は会話を切り上げるように男性へ何か短く伝えると、急いで食器を回収し、それぞれの持ち場へ戻っていきました。
時計を見ると、最初に声が聞こえてから15分近くたっていました。
着陸してからも、声は耳に残っていた
機体が着陸し、搭乗口に着くまで、男性の声がまた何度か聞こえました。
シートベルト着用サインが消えて乗客が立ち始めると、その男性は前方で乗務員にもう一度話しかけていました。
私が通路を進んだころにも、乗務員は男性の話を聞いています。
結局、最後まで何を訴えていたのかは分かりませんでした。
ただ、短い便の中で、食事を配る時間のかなりの部分を一人の乗客への対応に使っていた光景だけは、今でも妙に覚えています。
あの15分、周囲の乗客も乗務員も、それぞれ何とも言えない表情をしていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














