「下に子どもがいるんだから、待ちなさいよ!」すべり台の出口で怒鳴る母親。だが、近くの女性が指さしたものとは
すべり台の出口に立った母親と小さな女の子
まだ幼い息子と、昼の公園で遊んでいたときのことです。
公園にはらせん状のすべり台があり、小学生くらいの子どもたちが順番に滑っていました。
私は息子と、少し離れた鉄棒のそばにいました。
そこへ、私と同じ年ごろの母親が、2歳くらいの女の子を連れてやってきました。
母親は女の子をすべり台の出口のすぐ前に立たせ、自分もその横に立って遊んでいました。
ちょうど上から男の子が滑ってきました。
男の子は女の子に気づいたのか、靴底をこすりながら、ぶつかる寸前で止まりました。
私も思わずひやりとしましたが、母親は男の子をにらみつけました。
「ちょっと、危ないじゃない!」
男の子は驚いた顔をして、すべり台の脇から離れていきました。
ところが、母親は女の子をその場から動かしません。
続いて別の子が滑ってくると、母親は手を振り上げ、さらに大きな声を出しました。
「ちょっと!ぶつかったらどうするの!」
そして、すべり台の上に向かって怒鳴ったのです。
「下に子どもがいるんだから、待ちなさいよ!」
上にいた子どもたちは、滑り口の手前で足を止めました。困ったように下をのぞき込んでいます。
確かに小さな子がぶつかれば危険です。ただ、出口の前に立っていたら、滑ってくる子どもたちも困ってしまいます。
近くにいた保護者たちも気づいている様子でしたが、誰も声をかけません。私も母親の剣幕に気後れして、黙って見ていました。
「なんで、みんな止まってるの?」
息子が不思議そうに聞いてきました。
「下に人がいるから、滑れないんだよ」
そう答えながらも、このままで大丈夫なのかと気になっていました。
女性が指さした張り紙を見て、母親は……
そのとき、すべり台の横にいた、私より少し年上に見える女性が母親のそばへ歩み寄りました。
「すみません。そこ、ちょっと危ないと思いますよ」
母親は女性のほうを向きました。
「だから、上の子たちに待ってって言ってるんです」
すると女性は、すべり台の脇にある張り紙を指さしました。
そこには、出口の前に立つ子どもの絵と、その上に重ねられた大きな赤いバツ印が描かれていました。
「ここ、見てもらえますか。出口の前には立たないようにってことですよね」
「でも、小さい子がいるんだから、上の子が待てばいいでしょう」
母親は納得していない様子です。
女性は声を荒らげることなく、続けました。
「でも、滑っている途中だと止まれないこともありますから。お子さんも危ないですよ」
母親は何か言いかけましたが、返事をしませんでした。
それまで様子をうかがっていた保護者たちも、母親のほうに目を向けていました。張り紙を見て、小さくうなずく人もいます。
母親は周囲を見回すと、少し気まずそうな顔になりました。そして、何も言わずに女の子を抱き上げ、すべり台の出口から離れていきました。
それを見て、上で待っていた子どもたちが再び滑り始めました。すべり台の周りに、いつもの笑い声が戻ります。
「ぼくも、のぼってくる!」
息子が元気よく走っていきました。
ふと、先ほどの女性と目が合いました。女性は小さく笑って肩をすくめ、私も会釈を返しました。
強い口調で言い返すのではなく、危険な場所を示して落ち着いて伝える。あの女性の対応が、私にはとても印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














