「主人のワゴンが5分で戻る。さっさとどいて」と区画に立ちはだかる女性。だが、私の一言で態度が一変
空いたばかりの区画に立ちはだかる女性
空いたばかりの区画に、女性が走り込んで立ちました
三月の昼下がり、私は軽自動車で買い出しに来て、スーパーの駐車場をゆっくり進んでいました。
入口に近い列は、ほとんど埋まっています。
そのとき、前方の区画から車が一台出て、店に近い場所がひとつ空きました。
私がウインカーを出して入ろうとした、その瞬間です。
紫のカーディガンを着た茶髪の女性が、歩道側から走り込み、空いた区画の真ん中に立ちました。
そして入口のほうへ向かって、大きく手を振ります。
驚いて車を止めると、女性は運転席の窓に近づいてきました。
私が窓を開けると、強い口調で言われました。
「主人のワゴンが5分で戻る。さっさとどいて。」
女性は私の車をのぞき込みました。連れの車を待つというより、入口に近い場所を押さえたいだけのようです。さらに続けます。
「ここは主人の場所。軽は他の列へ。」
女性は胸を張り、私は動けないまま話を聞いていました
私の後ろにも車が続き、通路には待っている車が増えてきました。
女性が区画をふさいでいる以上、無理に進むわけにもいきません。
この店に来たのは今日が初めてです。女性は声が大きく、通りかかった人たちもこちらを見ています。
ここで言い合えば、さらに周囲に迷惑をかけてしまいます。
正論を言っても、女性が素直に聞き入れるとは思えませんでした。
女性は区画の真ん中で胸を張りました。
「ワゴンも余裕よ。小さい車は奥へ。」
ご主人の運転が自慢のようで、さらに言い足します。
「斜めには停めない。一発でぴったり。」
そのとき、偶然にも隣の区画に停まっていた車が出ていきました。
私はこれ以上言い争うのを避け、空いた隣の区画に軽自動車を停めることにしました。
車を降りると、女性は相変わらず最初の区画を陣取っています。
私は買い物に向かおうとしましたが、女性がこちらを見ながら得意げに話していたこともあり、少し気になっていました。
白いワゴンが近づいてきた
ワゴンを入れてもらうと、左右の白線との間にはほとんど余裕がありませんでした
そのとき、駐車場の奥から大きな白いワゴンが近づいてきました。女性が待っていた、ご主人の車のようです。
私は女性のほうを向き、静かに伝えました。
「ご主人のワゴン、入れてみて。」
女性は鼻で笑い、手を振ってワゴンを区画へ誘導しました。
ワゴンはゆっくりとバックで区画に入っていきます。
しかし、車体が白線の内側に収まると、左右にはほとんど余裕がありませんでした。
改めて見ると、その区画は周囲の普通車用の区画よりも幅が狭かったのです。
しかも、運転席側には先ほど私が停めた軽自動車があります。
私の車は白線の内側に収まっていますが、ワゴンとの間隔は狭く、ご主人がドアを開けようとしても、十分に開けられません。
このままでは、運転席から降りるのもひと苦労です。
女性の口元が、ぴくりと引きつります。
女性はワゴンを別の列へ回させました
「斜めなら入るわ!」
女性は慌てて別の停め方を提案しました。しかし、斜めに停めれば車体が白線からはみ出し、隣の車に迷惑がかかってしまいます。
私は落ち着いて、女性自身の言葉を返しました。
「斜めには停めない人でしょう?」
女性は口を一文字に結び、小さな声で認めました。
「広い区画だと、思い込んでたの」
毎週この店に来ていても、運転するのはいつもご主人で、区画の幅など気にしたことがなかったそうです。
先ほどまでの強気な態度が一変した女性は、ご主人に手を振って合図を送りました。
ワゴンはゆっくり前進して区画から出ると、広い駐車スペースを探して別の列へ向かっていきます。
「軽は他の列へ」と言った本人が、結局はご主人のワゴンを別の列へ案内することになったのです。
女性は周囲の視線に気づくと、うつむいて入口のほうへ歩き去りました。
私は隣に停めた自分の軽自動車を振り返りました。左右には十分な余裕があり、乗り降りにも困りません。
あれほど強引に場所を確保しようとしていたのに、結局は自分たちが別の場所を探すことになるとは。
私はそれ以上女性に声をかけることなく、買い物をするため店内へ向かいました。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














