「掃除を休むなら、3000円ね」と新入りに迫る町内会の班長。総会で私が手を挙げると、古株の態度が一変
玄関先に来た班長の封筒
班長は新入りの私に、清掃を休んだ分の3000円を求めました
私は夫と共働きで、この地域に越してきたばかりでした。この町内会には、公民館とそのトイレを住民で掃除する清掃活動があり、参加できない世帯からはお金を集める決まりがありました。
清掃の前日、町内会の班長を務める古株の女性が玄関先に来て言いました。
「掃除を休むなら、3000円ね。」
仕事を抜けられないと伝えても、班長は首をかしげるだけです。
掃除に業者が入るわけでもないのに、なぜ毎回お金が要るのか。思わず尋ねました。
「集めたお金は、何に使うんですか。」
「決まりだから、例外はないのよ。」
それ以上は教えてもらえず、私は事前に用意していた現金入りの封筒を渡しました。
草むしりなど、ほかの清掃活動でも同じ決まりがあり、仕事の都合で休めばまた3000円です。
我が家は年に何度も払うことになりました。
出られない家からだけ集金され、古株は払っていないと聞きました
その夏の草むしりの日、私は仕事の休みを調整して参加し、炎天下で雑草を抜いていました。ふと見回すと、いつも集金に来るあの班長の姿がありません。
隣の年配の住民が、私にだけ聞こえる小さな声で言いました。
「古株のあの人は、一円も払ってない。」
昔から、清掃を休んでも支払いを免除されているというのです。
集金する立場の人が、自分は参加せず、お金も払っていない。もし本当なら不公平です。
ただ、誰がいつ清掃に参加し、いくら払ったのか、詳しい記録は会計係が管理しています。噂だけで班長を責めるわけにはいきません。
総会で手を挙げた私
総会で私は帳面を手に、古株の免除を指摘して名簿を示しました
確かめたくなり、会計係に集金の使い道と免除の基準を問い合わせました。
会計係も詳しい免除の理由までは把握しておらず、年度末の総会で清掃活動の負担金について確認してもらうことになりました。
総会では、会計係が過去三年分の清掃の出欠記録と集金記録を確認しました。
すると、あの班長の世帯は、清掃を欠席しているのに支払いの記録がないことが分かったのです。
私は会計係から示された記録の内容を控え、総会で挙手しました。
『掃除に出ずに払わない家があります。この免除は、おかしくないでしょうか』。
会場がざわつくと、班長が椅子から身を乗り出し、強い口調で言い返しました。
「役員の仕事を、色々やってるの!」
『新入りに何が分かるの』とも付け足します。
しかし、班長は各世帯への連絡や集金を担当する持ち回りの係で、町内会の正式な役員とは別の立場でした。
私は総会の資料にある役員名簿を開き、班長の前に示しました。
「役員の名簿に、名前がありません。」
もちろん、名簿に名前がないからといって、役員の仕事を手伝っていないとは限りません。
ただ、役員の仕事を手伝えば清掃や負担金が免除されるという決まりも、資料には見当たりませんでした。
私が免除の基準について説明を求めると、班長は答えに詰まってしまいました。
住民が次々に声を上げ、古株は赤面し、徴収金は廃止になりました
会計係から集金状況が説明されると、あちこちで住民が顔を見合わせました。
隣の年配の住民が、手を挙げて言いました。
「うちは去年、1万2千円払った。」
『うちもよ』『免除があるなんて、初めて知った』。
次々に声が上がり、黙っていた人がこれほどいたのかと、私は驚きました。
古株の班長は顔が赤くなり、口を開きかけましたが、声になりません。
机の上で両手を握りしめ、私の手元の紙を見るだけでした。
その後、集めたお金の使い道や免除の基準についても確認が進みました。しかし、一部の世帯だけが免除されていた理由について、納得できる説明はありませんでした。
総会では、不参加の世帯から徴収金を集める決まりそのものを見直すことになりました。廃止案について採決が行われ、賛成多数で廃止が決まりました。
今後は、掃除に出られる人が作業を分担し、参加できなかった世帯も次の機会に協力する形です。
散会のあと、あの年配の住民が私の両手をそっと包みました。『言い出せずにいたのよ。助かりました』。
その後、玄関先に封筒を求めて班長が来ることは、なくなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














