「歩けるんだから、いいじゃない」共用廊下を私物で狭くしていた隣人。だが、配達員に指摘された結果
隣の部屋から広がってきた私物
賃貸マンションの2階に住み始めたころ、共用廊下にはほとんど物がなく、問題なく行き来できていました。
ところが、半年ほどたったころから、隣の部屋の女性が廊下に私物を置くようになったのです。
最初は傘立てと植木鉢だけでした。それが次第に増え、段ボール箱や古紙、使わなくなった運動器具まで並ぶようになりました。
やがて荷物は私の部屋のドアの近くにまで広がり、廊下を通るたびに避けなければならなくなりました。
ある晩、帰宅してドアの前で鍵を探していると、隣の女性が顔を出しました。
「そこ、うちの物があるんだから、気をつけてね」
「はい。あの、少し通りにくくて……」
そう伝えたのですが、女性は返事をせず、ドアを閉めてしまいました。
このまま荷物が増えては困ります。次の休み、私は思い切って隣のチャイムを鳴らしました。
「すみません。廊下の荷物を、少し減らしていただけませんか」
すると、女性は眉を寄せました。
「うちの前なんだから、うちの勝手でしょ」
「でも、ここは共用廊下ですよね」
「歩けるんだから、いいじゃない。いちいち言いに来ないで」
それだけ言うと、女性はドアを閉めてしまいました。
確かに、人が歩けないほどではありません。それでも、毎回荷物を避けて通るのは不便です。
これ以上言っても聞いてもらえそうになく、私は困っていました。
配達員のひと言で変わった態度
そんなある朝のことです。
出かけようとドアを開けると、制服姿の若い配達員が大きな箱を抱えて歩いてきました。
どうやら、隣の部屋への配達のようです。
ところが、配達員は私の部屋の前を過ぎたところで足を止めました。
隣の部屋までの廊下には、段ボール箱や運動器具が並んでいます。人だけなら通れますが、大きな箱を抱えたままでは足元が見えにくく、置いてある物にぶつかりそうでした。
配達員が声をかけると、隣のドアが少し開きました。
「お届け物です。すみません、通路を空けていただけますか」
「え?どうして?」
「こちらに物が置いてあるので、荷物を持ったままだと通りにくくて……」
配達員が足元を示すと、女性は廊下に並んだ私物を見ました。
「ああ……すみません。ちょっと待ってください」
女性は部屋から出ると、通路にはみ出していた段ボール箱を動かし、運動器具も脇へ寄せました。
「これで大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございます」
配達員は空いた通路を進み、女性に荷物を手渡しました。
少し驚きました。
以前、私が荷物を減らしてほしいとお願いしたときには、「歩けるんだから、いいじゃない」と言っていた女性です。
ところが今回は、自分が注文した荷物を届けてもらうために、廊下の私物を動かすことになりました。
配達員が帰ったあと、女性はしばらく廊下に残り、動かした段ボールを見ていました。
その日の午後、女性が段ボールをひもでしばっているのを見かけました。
数日後には古紙も運動器具もなくなり、廊下は元の広さに戻っていました。
それからは、荷物を避けずに自分の部屋まで歩けるようになりました。
たまに廊下ですれ違うと、女性はさっと目をそらして部屋に入っていきます。
何度お願いしても片付かなかった廊下が、あの日を境にすっきりしたのです。
あの配達が片付けるきっかけになったのかもしれません。今は以前のように、気兼ねなく廊下を通れることにほっとしています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














