「自分たちの仕事だけでも回らないのに」体調不良で音信不通になった課長。だが、復帰した時の一言に絶句
大きなイベントの直前に消えた指示系統
あれは大きなイベントを目前にした時期でした。
直属の課長から急に折り返しが来なくなり、後輩の女性と顔を見合わせました。
家族経由でようやく届いたのは、高熱が続いていて起き上がれないという短い伝言だけ。
翌日も同じ。
一週間経っても判断を仰ぎたい案件が積み上がっていきました。
出張に出ていた別チームから、戻り次第手伝えるという声がかかったのが救いでしたが、本来出張だけの担当者に任せられる量ではありません。
(自分たちの仕事だけでも回らないのに)
夜中に資料を整えながら、後輩と何度もそう呟き合いました。
普段から細かいところまで自分で抱え込む人だったぶん、抜けた穴が一気に大きく見える1ヶ月でした。決裁が必要な案件だけが何件も机の上に積み残されていきます。
社長に直訴した私の覚悟
このまま黙っていては同じことが何度でも起きる。
そう思った私は、後輩と相談して社長室に向かいました。
経緯と現場の負担、復帰後の業務分担の見直しまで、紙にまとめて持参しました。
「何かありましたか?」
そう問い返されてから、私は順番に話しました。
社長は最後までメモを取りながら聞いてくれて、確かに考えるよ、と頷いてくれたのです。
あの瞬間は、これでようやく前に進むと信じていました。
後輩と部屋を出たあとに「これでひとまず安心ですね」と笑い合ったのを、よく覚えています。
長く溜まっていたものが、ようやく行き先を見つけたと感じた瞬間でした。
変わらなかった現場の温度
1ヶ月以上の休みを経て、課長はある朝、何事もなかったような顔で席に着きました。
休んでいた間の言及も、引き継ぎへの礼もないまま、いつもの口調で指示が始まります。
朝礼のあと、後輩が思い切って「あの、休まれていた間の引き継ぎを少しだけ」と切り出した時のことです。
課長は資料に視線を落としたまま、表情ひとつ変えずに言いました。
「別にいいかな」
社長から話があったとは聞きましたが、業務分担も判断ルートも以前のままでした。
後輩と目を合わせて、何も言わずに自席に戻った朝のことは、今でもはっきり覚えています。
残ったのは、誰にも分担されない疲労と、いつまた同じことが起きてもおかしくないという、答えの出ない静けさだけでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














