「パパ最低!ありえない」とキレる娘。妻の出産後、夫が取ってしまった最低の行動とは
娘がいちばん食いついた話
高校生になった娘との食卓は、にぎやかだ。その夜は、昔話の流れで、私はつい16年前の出来事を口にした。
「あんたを産んだ日のこと、話したことあったっけ」
娘は唐揚げをほおばりながら、適当に相づちを打っていた。ところが、続きを聞いた瞬間、その手がぴたりと止まった。
「パパね、私が25時間も頑張って産んだその日に、私のベッドで寝てたのよ」
「えっ」
娘の視線が、ゆっくりと父親に向かう。そして、勢いよく声を上げた。
「パパ最低!ありえない」
あの日、ベッドで眠っていた夫
話は、16年前にさかのぼる。
初めての出産は難産で、私は分娩台に25時間も乗っていた。体力を使い果たし、ようやく病室に戻ったとき、私はもう一歩も歩けないほどだった。
ところが、自分のベッドには先客がいた。仕事帰りに様子を見に来ていた夫が、気持ちよさそうに眠っていたのだ。
「おつかれさま」
目を開けた夫は、そう言っただけだった。
横になったまま、ベッドを空ける気配はない。
「そこ、私が寝たいんだけど……」
「ああ、ちょっとだけ。疲れちゃってさ」
体を気遣う言葉も、代わろうとする動きもない。私はあぜんとして、その場に立ち尽くした。
「あなた、仕事だったでしょ。でも私、25時間よ」
「うん、おつかれさま」
かみ合わない返事に、言い返す気力もなえてしまった。結局その夜、私は固い丸椅子で眠った。出産を終えたばかりの体には、こたえる一晩だった。
食卓で言葉を失った夫
その話を聞いた娘は、すっかり前のめりになっていた。父親に詰め寄る勢いは止まらない。
「ママがボロボロなのに、自分が寝るって何? 信じられない!」
夫は箸を置いて、なんとか弁解しようとした。
「いや、あのときは仕事が立て込んでて、つい……」
「言い訳しないでよ! ママのほうが何倍も大変だったでしょ!」
正論を真正面からぶつけられ、夫は言葉に詰まった。視線が泳ぎ、開きかけた口がそのまま閉じる。助けを求めるように私を見たけれど、私はただ笑っているだけ。
「……返す言葉も、ないな」
とうとう夫は白旗を上げて、深くうなだれた。いつも娘に強気な父親が、このときばかりは形なしだった。
その日を境に、この「ベッド事件」は家族の語りぐさになった。
結婚記念日が近づくたび、夫は自分から家事を引き受けるようになった。
「今日は俺がやるよ。座っててくれ」
娘がすかさず茶々を入れる。
「16年分の罪滅ぼしね」
夫は苦笑するしかない。あのとき胸に残ったモヤモヤは、今では家族みんなの笑い種に変わっていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














