「実は、仕事の先輩の子と関係を持った」19歳で母になると決めた私。だが、夫の裏切りに絶句
出産直前の正座
十九で母になると決めて、私は若くして結婚した。
臨月のある夜、夫が改まった様子で私の前に座った。
「実は、仕事の先輩の子と関係を持った」
大きなお腹を抱えたまま、私は天井を見上げた。
叫びたい気持ちはあったのに、不思議と声は出てこなかった。
思い当たることなら、あった。少し前、寝ている夫のスマホに知らない女から「だいすき」と届き、その相手とのやり取りだけが消えていたのだ。
「ゆうべの『だいすき』、間違いだって言ったよね」
「……ごめん。あれも、あの子だ」
夫はうつむいたまま、声を絞り出した。
やっぱり、と思った。
「わかった。じゃあ、離婚するね」
声は、自分でも驚くほど静かだった。生まれてくる子のためにも、嘘をつく人と暮らす未来は選べなかった。
上塗りされた嘘
離婚を切り出して数日、夫の態度が変わった。
「やっぱり体の関係はなかった。先輩の子の親に、嘘を言えって頼まれただけなんだ」
あまりに苦しい言い分だった。けれど私は、責め立てる代わりに黙ってうなずいた。涙より先に、確かめる手段が頭に浮かんでいた。
(その親に、直接聞けばいい)
私は相手の女性の母親にたどり着き、礼を尽くして事実かどうかを尋ねた。
返信は、迷いのない返事だった。
「頼んだ覚えはありません」
嘘を頼んだとされる当人が、あっさり事実を認めていた。
夫の言い分は、根元から崩れていた。私は責める気も失せて、ただ静かに、その画面を保存した。
黙り込んだ夫
その夜、私はスマホの画面を夫の目の前に差し出した。
「相手のお母さん、事実だって認めてるよ」
夫の表情が、見る間にこわばっていく。
「な、なんで連絡なんか……」
「嘘を言えって頼まれたんでしょ。その人が、頼んでないって言ってる。どっちが嘘なの」
夫は反論しかけ、口を開いたまま固まった。
言葉が出てこない。視線が落ち着きなく宙をさまよい、やがて力なく目を伏せた。
長い沈黙のあと、絞り出すように本音がこぼれた。
「俺が嘘をついた」
隣で聞いていた私の母が、呆れたように小さく笑った。それが、すべての終わりだった。
離婚届を出した日、空が妙に澄んで見えた。
今は娘と二人きりの、穏やかな暮らしだ。
たまに連絡してくる元夫は、以前のように私を言いくるめようとはしなくなった。
電話口の声は、どこか小さく、遠慮がちになっている。嘘が通じる相手ではないと、ようやく悟ったのだと思う。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














