「早くゴミを片付けなさい!」ゴミ捨て場で怒鳴った女性。だが、私が告げた事実に絶句
集積所を荒らすカラス
戸建てに越してきて、まだ数週間。我が家の目の前が、地域のゴミ集積所でした。
その朝も、収集を待つ袋がいくつも積まれていました。
ところが、ふと窓の外を見ると、袋が食い破られ、中身が道いっぱいに散らばっています。
カラスの仕業でした。生ゴミの匂いが漂い、紙くずが風に舞っています。
あいにくその日は、2歳と0歳を連れての検診日でした。
私は下の子を抱え、上の子をチャイルドシートに座らせ、慌ただしく出発の準備をしていました。散らかったゴミを片付けたくても、幼い二人から目を離すわけにはいきません。
散らかったゴミは気になるものの、子ども二人を置いて片付けに行くわけにもいきません。
焦る気持ちで車のドアを閉めたとき、後ろから鋭い声がしました。
「早くゴミを片付けなさい!」
振り返ると、見覚えのない年配の女性が、道の真ん中で腕を組んで立っていました。私を睨むような目つきで、あごをしゃくって散らかったゴミを指し示しています。
静かな一言が呼んだ味方
その口ぶりは、まるで私が散らかした張本人だと決めつけているようでした。
近所の人かもしれないと思うと、強くも言えません。
それでも、事実は伝えなければと思いました。
「カラスの被害です」
うちが出したゴミではないこと、集積所が毎朝のように荒らされていることを、私はできるだけ穏やかに説明しました。
女性は納得がいかない様子で、なおも言い募ります。
「あなたの家の前なんだから、あなたが片付けるのが筋でしょう」
そのときでした。ゴミを出しに来た近所のお母さんが、間に入ってくれたのです。
「それ、カラスですよ。私、さっき散らかしていくの見ました」
続けて、別の住人も「この通り、カラスがひどくてね。この人のせいじゃないですよ」と口をそろえました。
味方が現れた瞬間、女性の勢いは目に見えてしぼんでいきました。
口を開きかけ、けれど言葉は出てきません。
周りに集まってきた人たちの視線が、静かに女性へと注がれます。
やがて「……なら、いいけど」と小さくつぶやくと、女性はそそくさと背を向けて歩き去っていったのです。
あれほど強かった口調は、もうどこにもありませんでした。
近所のお母さんは「気にしないで。子ども連れで大変だったね」と笑い、他の住人と一緒に、散らばったゴミを手早く拾ってくれました。
おかげで、検診にもぎりぎり間に合ったのです。
あとで聞けば、あの女性はいつも誰かを見つけては注意して回る人なのだそうです。それを知ってからは、道で顔を合わせても、私は何を言われても動じなくなりました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














