「いつもママが起きるの」子供の一言でイクメン自慢の夫の嘘がバレた。その場にいた親戚の一言にぐうの音も出なかった
口だけの子育て自慢
夫は口を開けば、俺は育児に協力的だから、と言う人だった。
だが実際に動くのは、写真を撮るときと、人が見ているときだけ。
夜泣きの対応も、おむつ替えも、気づけば全部私の役目になっていた。
スマホには、子どもとの写真がずらりと並んでいた。
夫はそれを職場の同僚や友人に見せては、いい父親だと思われて満足していたらしい。けれど、その一枚を撮ったあと、子どもをあやすのはいつも私だった。
「今日も一日、よく面倒みたよ」
そう言う夫が実際にしたのは、子どもと数枚の写真を撮ったことくらい。それでも本人は、自分を子育て上手な父親だと信じていた。
私が、もう少し夜も手伝ってほしいと頼んでも、夫は決まってこう返す。
「俺、ちゃんとやってるだろ」
その「ちゃんと」がどれほど頼りないか、本人だけが分かっていなかった。
親戚の前で暴かれた本性
ある休日、親戚一同が集まる食事会が開かれた。夫はここぞとばかりに、育児の苦労を語りはじめる。
「夜中に起こされるの、けっこう大変なんだよ」
親戚たちが、えらいわねと口々に褒める。
その空気に気をよくした夫の隣で、子どもがふいに口を開いた。
「いつもママが起きるの」
一瞬で、場の空気が変わった。子どもは悪気なく、家での様子をぽつぽつと話しはじめる。写真だけ撮って、あとはママ任せ。その一部始終を。
「パパ、いつもスマホ見てるよ」
無邪気な追い打ちに、親戚たちが思わず顔を見合わせた。
夫の笑顔が固まっていく。取り繕おうと口を開きかけたが、言葉が出てこない。
見かねた年配の親戚が、夫をまっすぐ見て言った。
「行動で示しなよ」
短い一言に、夫はぐうの音も出なかった。周りの親戚も、黙ってうなずいている。逃げ場のない空気の中で、夫はただうつむくしかなかった。
別の親戚も、静かに口を添えた。
「写真を撮るのと、育てるのは違うでしょう」
もっともな言葉に、夫は何も言い返せない。ふだんの得意げな表情は、すっかり消えていた。
そして、その視線は私のほうへ向いた。「あなたが毎日がんばってるの、みんな分かってるからね」。伯母のその言葉に、思わず目の奥が熱くなった。
ずっとひとりで抱えてきた。誰にも見えていないと思っていた。それを、こんなにたくさんの人が分かってくれていたのだ。
帰りの車の中で、夫は小さな声で、これからはちゃんとやるよ、と言った。あの日の親戚の視線が、よほどこたえたらしい。
口だけだった夫が、少しずつ自分から手を動かすようになったのは、それからのことだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














