「会社の同僚だって。やましいことはないよ!」浮気を否定する彼。だが、友人から送られた写真で別れを決意
出張という言葉
三年付き合った彼とは、結婚という言葉も自然に口に上るようになっていた。
だからこそ、小さな違和感を、私は何度も飲み込んでいた。
スマホを伏せる仕草、増えていく休日の外出。問い詰めても、返ってくる答えはいつも一つだった。
「会社の同僚だって。やましいことはないよ!」
「じゃあ、なんで画面隠すの」
「クセだよ。疑いすぎ」
そう言われると、私のほうが悪い気がしてくる。
彼はそれをわかっていて、いつも同じ言葉で逃げた。
「来週末、出張入ったから」
その一言を、私はまた、信じることにした。
信じたかった、というほうが正しいのかもしれない。
街で見た現場
出張のはずの夜、友人から一本の連絡が届いた。声が、少し緊張していた。
「あの人、出張じゃなかったよ」
「街で見ちゃった」
続けて送られてきた写真に、息が止まった。彼が、知らない女性と腕を組んで歩いている。仕事で遠くにいるはずの人が、人混みの中で笑っていた。出張という言葉が、その一枚で音を立てて崩れた。
「言うか迷ったけど、あなたには知ってほしくて」
友人の一言に、私は深呼吸を一つした。怒鳴り込んで、泣いて、それで終わらせたくはなかった。
証拠は、もうこの手の中にある。
数日後、私は彼と向かい合った。震えそうになる指先を膝の上で握り、手元の写真を、テーブルにそっと置く。
「出張先こんな感じなんだね」
「……いや、これは、たまたま会って」
「友達が、街で偶然見たって。腕、しっかり組んでるよ」
彼の顔から、血の気が引いていく。口を開きかけては、言葉を探して、また閉じる。
「同僚だって言い張ってたよね。出張も嘘だったんだ」
「……それは、その」
「半年?一年?いつから」
追い詰められた彼は、ついにうつむいた。テーブルに両手をつき、声を絞り出す。
「……半年、付き合ってた。本当に、ごめん」
否定を重ねた口から、ようやくこぼれた本当の言葉だった。
引き止める側へ
立場は、その朝にすっかり逆転していた。私を言いくるめていた彼が、今度は必死に私を引き止めている。
「やり直せるよ、ちゃんと話せば」
「もう話すことないよ。写真が全部、答えだから」
私が立ち上がると、彼は腰を浮かせかけて、けれど何も言えずに座り直した。
「友達が気づいてくれて、本当に助かった」
店を出て夜風に当たると、ずっと胸につかえていた重たいものが、ゆっくりとほどけていった。嘘を見抜けなかった三年に、私はようやく自分の手で区切りをつけられた。同僚だと言い張った声も、出張という嘘も、もう私を縛れない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














