「ママ、なんで最近あのママとお話ししないの?」3週間挨拶が返らなかったママ友。思い切って理由を聞いてみると
返ってこなくなった朝の挨拶
保育園の送り迎えで、毎朝すれ違うママがいました。同じクラスの子のお母さんです。深い付き合いはなくても、顔を合わせれば自然と挨拶を交わす、心地よい距離感でした。
「おはようございます」
ある朝を境に、その挨拶が返ってこなくなりました。私が声をかけても、相手は目を伏せて通り過ぎるだけ。
(何か、怒らせるようなことをしたかな)
いくら思い返しても、思い当たることはありません。前の週まではあんなに自然に言葉を交わしていたのに、いったい何がいけなかったのか。
相手の子は相変わらず私に笑いかけてくれるのに、ママだけが壁を作っているようでした。返事のない朝が三週間も続き、私の心にはモヤモヤだけが積もっていったんです。
勇気を出して聞いた本当の事情
ある日、我が家の息子が不思議そうに聞いてきました。
「ママ、なんで最近あのママとお話ししないの?」
言われてみれば、避けられていると決めつけて、私自身も距離を取っていました。
子どもに気づかされ、翌朝、勇気を出して相手の前に立ちました。
「おはようございます。あの……最近、何かありました?」
思いきって尋ねると、相手のママは一瞬固まり、それからばつが悪そうに口を開いたのです。
「実は、この前の朝、私が挨拶したのに素通りされちゃって……嫌われたのかと思ってたんです」
「毎朝、無視されてるみたいで、つらくて」
まるで身に覚えのない話でした。よく聞くと、私が駐輪場で自転車の鍵をなくし、地面ばかり見ていた朝のこと。
うつむいていた私は、相手の声にまったく気づいていなかったのです。
「気づかなくて、ごめんね」
鍵を落として頭が真っ白だったこと、決して無視したわけではないことを、必死で伝えました。すると相手のママは、ほっとしたように肩の力を抜いたのです。
「なんだ、そういう事情だったんですね。私、勝手に落ち込んでました」
顔を見合わせて、どちらからともなく笑ってしまいました。三週間ものあいだ、二人とも見えない相手に一人で悩んでいたのですから。
「こんなことで気まずくしちゃって、もったいなかったですね」
そう言って彼女が差し出した手を、私は思わず握り返していました。挨拶がひとつ返ってこないだけで、人はこんなにも相手の気持ちを深読みして、勝手に傷ついてしまうものなんですね。
翌朝からは、また同じ挨拶が戻ってきました。
「おはようございます」
前よりも少し弾んだ声で。すれ違いは、勇気を出して一歩踏み出せば、驚くほどあっけなく溶けていくものなのですね。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














