「今は現金ないから」ランチ会の会計を渋るママ友。だが、私の提案で逃げ道がなくなった
「後で振り込む」が口癖のママ
ママ友グループのランチ会には、ちょっとした困りごとがありました。
いつも会計のときだけ姿勢を低くして、こう言うママがいたのです。
「お財布忘れちゃった、後で振り込むね」
けれど「後で」は永遠に来ません。
振り込みを待つ側だけが、じわじわと損をしていく。そんな状態が何カ月も続いていました。
金額そのものは、一回ぶんなら大きくありません。だからこそ誰も強く言えず、彼女はそこに甘えているようでした。
積み重なった立て替えは、気づけば全員でかなりの額になっていたのです。
ある日、我慢の限界に達したママたちが、ランチ会の前にそっと集まって相談しました。
「もう、はっきりさせよう」
「立て替えた分、全部記録してあるよ」
私たちは静かに作戦を立てました。
次こそ、逃がさないと。
逃げ道を塞がれ、消えた女
迎えたランチ会の当日。会計の段になると、彼女はやはり同じ手を使ってきました。
財布を探すふりをして、困り顔でこちらを見上げます。そして、いつものひと言。
「今は現金ないから…」
けれど今日の私たちは違いました。
一人が、これまでの立て替えを記した記録をテーブルに置きます。日付と金額が、几帳面に並んでいました。
私は静かにスマホの決済画面を開き、彼女の前に差し出しました。
「ではスマホ決済で」
総額1万2000円。
今ここで、この画面から送ってもらえれば済む話です。彼女の表情がみるみるこわばっていきました。
「え、今すぐ……?」と口ごもり、視線をあちこちに走らせます。
けれど、テーブルを囲むママたちは、誰も助け舟を出しません。
重い沈黙が場を包みました。「い、家に帰れば……」と逃げようとする彼女に、別のママが穏やかに、けれどきっぱりと言いました。
「今ここでできることだから、大丈夫だよ」
逃げ場を失った彼女は、とうとう震える指で画面をタップし、その場で全額を送金したのです。
「確認しました。ありがとう」
私は感情を交えず、淡々とそう告げました。彼女は真っ赤になった顔を伏せ、逃げるように席を立ちました。
その後、彼女からランチ会に加わりたいという連絡は、二度と来ませんでした。誰が追い出したわけでもなく、彼女は自分から静かに姿を消したのです。
気まずさを引きずる人は、もう誰もいません。ただ、次のランチ会からは、会計のたびに感じていた小さなしこりが、きれいに消えていました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














