「お嫁さん、お代わり持ってきて」談笑する親戚の中で私だけ働く法事。だが、勇気を出して手伝いを求めた結果
誰も動かない広間で、私だけが働いた
義実家の法事に、親戚が集まった日のことでした。
読経が終わると、会食の支度は自然と私の役目になっていました。
広間ではみんなが座って、昔話に笑い声を上げています。
その輪の外で、私は一人、料理を並べ、飲み物を運んでいました。
次から次へと、あちこちのグラスが空いていきます。
「お嫁さん、お代わり持ってきて」
「取り皿も足りないわ」
「お吸い物、そろそろ温め直してくれる?」
あちこちから声がかかり、そのたびに台所と広間を行き来します。
汗ばむほど動いているのに、手伝おうとする人は誰もいません。
子どもたちのお菓子まで、結局は私が用意して回りました。
義母も「若い人がやってくれると助かるわ」と、涼しい顔で座ったままです。
山積みになっていく食器を見て、気が遠くなりそうでした。
それでも、断れずに動き続けている自分がいました。
「みんなで分担しませんか」声を上げた私
会食が終わり、流しにあふれた洗い物を前に、私はとうとう立ち止まりました。
このまま黙っていたら、また私一人で片付けることになる。
そう思った瞬間、勇気を出して広間に声をかけていました。
「みんなで分担しませんか」
談笑していた広間が、一瞬しんとなります。
気まずい空気が流れかけた、そのときでした。
隣にいた夫が、迷わず立ち上がってくれたのです。
「一人に任せるのはおかしいかな」
夫は袖をまくり、率先して皿を下げ始めます。
「法事はみんなの集まりなんだから、みんなで片付けよう」
その一言で、座っていた親戚たちの顔つきが変わりました。
誰もが、自分だけ座っていた気まずさに気づいたようでした。
「ごめんね、気がつかなくて」
そう言って義姉が立ち上がると、ほかの親戚も次々と動き始めます。
「若い人に任せきりは、うちの悪い癖だったわ」と伯母もこぼしました。
さっきまで私一人だった台所が、あっという間ににぎやかになりました。
あれだけ座っていた義母までもが、決まり悪そうにお茶を淹れに来てくれます。
「本当にごめんなさいね、あなたにばかり」と小さな声で言いました。
一人で抱えていた作業が、みんなの手であっけなく片づいていきます。
帰り道、夫は「言ってくれてよかった」とハンドルを握りながら言いました。
「我慢する必要なんてないんだよ」
助手席で頷いた私の肩を、夕日がやわらかく照らしていました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














