「靴脱いで一杯やらせてもらうわ」結婚式で失礼な態度をとる義母。だが、夫が突きつけた現実で状況が一変
披露宴で靴を脱いだ義母
私たちの結婚式の費用は、すべて私の両親が用意してくれた。
夫の側からの負担はなく、参列も義母と親戚がひとりきり。それでも当日は、和やかに始まるはずだった。
両親は、娘の門出のためにと、一年がかりで準備を重ねてくれた。招いた側として、私はどの席の人にも心地よく過ごしてほしいと思っていた。
異変が起きたのは、披露宴の後半だった。
「靴脱いで一杯やらせてもらうわ」
義母が笑いながらそう言って、パンプスを脱ぎ捨てた。
隣の親戚もそれにならい、二人はテーブルに肘をついてくつろぎ始める。
新郎新婦席から見ていた私は、血の気が引いた。周囲のテーブルが、ざわりとどよめく。
(お願いだから、今日だけは……)
隣に座る夫の横顔も、みるみる険しくなっていった。
一円も包まないまま
二人はコース料理を平らげ、乾杯のお酒を何杯もおかわりした。
宴もたけなわ、けれどご祝儀袋が出てくる気配は最後までない。
それどころか義母は、帰り際に引き出物の紙袋を指さして、平然とこう言い出した。
「余ってるなら、これももらっていくわね」
まるで、宴のすべてが自分のために用意されたとでも思っているようだった。
近くの席の親族が、そっと顔を見合わせる。
気を利かせた私の母が、そっと歩み寄って声をかけた。
ねぎらいの言葉に対して、義母が返したのは思いもよらない一言だった。
「呼ばれた側が、なんでお金払うのよ」
あまりの物言いに、母は言葉を失った。
娘のために一年がかりで準備してくれた母が、うつむいてしまう。
その姿を見て、夫の中で何かが切れた音がした。
息子が母に告げた言葉
夫は席を立ち、義母のもとへ真っすぐ歩いていった。
「妻の親がお金を出した式だぞ」
低く、けれどはっきりとした声だった。義母の笑みが固まる。
「靴を脱いで、飲んで、食べて。挙句にその言い草はないだろう」
義母はうろたえ、何か言いかけては口をつぐんだ。
頼みの綱の親戚は、すでに目を合わせようとしない。逃げ場のなくなった義母は、赤くなった顔でうつむくしかなかった。
「母さんの分は、俺が後で払う。今日はもう帰ってくれ」
夫にそう言われ、義母はよろよろと靴を履き、去っていった。
会場に残された親族の間に、安堵のようなさざめきが広がった。
誰かが小さく漏らした「言ってくれてよかった」の一言が、私の耳に温かく届く。
うつむいていた母も、そっと顔を上げた。
数日後、親戚から一万円だけが届いた。義母からは何もない。それでも、私の胸は不思議と晴れていた。
夫が、私と私の家族のために怒ってくれた。その一つで、もう十分だったのだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














